大雨や台風などの被害によってHDDが水没してしまった際には、落ち着いて適切な対処を行うことが大切です。特に自然災害による水没の場合は、水分だけでなく砂やゴミといった不純物がHDD内部に入り込んでしまっていることもあり、対処を間違えてしまうと故障の原因になってしまいます。
この記事では、HDDが水没してしまった際の対処法について詳しく解説していきます。水没した際のNG行動も紹介しているので、HDDが水没してしまいデータ復旧をしようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
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HDDの水没は物理障害に分類される
HDDに発生する障害には「物理障害」と「論理障害」の2種類がありますが、HDDが水没してしまったことによる障害は「物理障害」に分類されます。ここでは、それぞれの障害の特徴について簡単に説明していきます。
物理障害
物理障害とは、その名の通りHDDに物理的な障害が発生している状態のことで、水没の他にも下記のようなケースによって引き起こされることがあります。
- HDDを落下させてしまった
- 経年劣化による部品の故障
- 暑い部屋で使用を続けていた
物理障害が発生している時には、HDDからキュルキュル・カチカチといった異音が聞こえたり、HDDから焦げたような異臭がすることがあります。
HDDが読み込めなくなったり、ファイルにアクセスできなくなるといった症状が見られる場合もあります。
論理障害
論理障害とは、HDD本体ではなく記録したデータが壊れてしまい、不具合を起こしている状態のことをいいます。論理障害は下記のようなケースが原因となり引き起こされることが多いです。
- 間違えてファイルの削除や上書きをしてしまった
- HDDがウィルスに感染してしまった
- フォーマットを行ってしまった
- データのアクセス中に電源が切れた
論理障害が発生すると、パソコンが再起動を繰り返したり、必要なファイルにアクセスできなくなるといった症状が見られるようになります。
物理障害と論理障害のどちらが発生しているのかよって対処法は変わってきますが、HDDを水没させてしまったり、高いところから落下させてしまったりと原因が明確にわかっている場合を除き、物理障害と論理障害を見分けるのは非常に難しいと言われています。
HDDが水没してしまった時のNG行動
ここからはHDDが水没してしまった時に絶対にしてはいけない行動を紹介していきます。
水洗いをする
パソコンやHDDに泥などがついてしまった場合に水洗いをしたくなるかもしれませんが、絶対に水洗いはしないようにしましょう。水洗いをした際に泥やゴミがHDDの内部に入り込んでしまい、故障してしまう原因になります。
通電する
HDDが水没してしまった時に通電を行なってしまうと、電気系統がショートしてしまい症状が悪化するだけでなく、最悪の場合には感電などのリスクがあります。水没してからしばらく経って乾いているように見えても、HDDの内側に入ってしまった水分は乾かずに残っている可能性があるため注意が必要です。
また、水没した際にHDD内部にゴミやホコリなどが入り込んでしまっているケースもあり、そういった場合に通電をしてしまうと、データを記録するプラッタという部品が傷つき、データ復旧が難しくなってしまうことがあるため、通電はなるべく避けるようにしましょう。
HDDの分解をする
HDDの内部に水やホコリなどが入っていると聞くと、HDDを分解して水分や汚れを取り除こうと考える方もいるかもしれませんが、HDDは精密機器であるため、汚れを拭き取る際に重要な部品に傷がついてしまう可能性があります。基本的にHDDの分解はクリーンルームで行うことが推奨されていますし、HDDを個人で分解することによってメーカーの保証対象ではなくなってしまうこともあるので、分解は絶対に行わないようにしましょう。
ドライヤーなどで乾燥させる
HDDに水がついてしまうと焦ってドライヤーなどで乾かして水分を飛ばそうとしてしまいがちですが、これも避けるようにしましょう。内部に入った水分がドライヤーなどによって乾燥すると、水分が蒸発した後に残ったホコリやゴミがHDD内部に残ってしまい故障の原因になってしまいます。
また、ドライヤーを使わずにそのまま自然乾燥させるのも同じく故障の原因になるので乾燥してしまう前に後述する対処法を実施するようにしましょう。
データ復旧ソフトを使用する
水没してしまったHDDからデータを取り出すためにフリーのデータ復旧ソフトを使用するのもNG行動になります。軽度な論理障害の場合はデータ復旧ソフトで対応できるケースが多いですが、水没などの物理障害の場合は難しく、データ復旧ソフトを使用することで症状が悪化してしまうこともあるのでなるべく避けましょう。
HDDが水没してしまった時の対処法
HDDが水没してしまった際には、そのままの状態で放っておくと乾燥してしまい、故障の原因になるので、なるべく早く適切な対処をすることが大切です。
ここでは、水没してしまった際の適切な対処法について詳しく紹介していきます。
1.タオルと密封パックを準備する
HDDが水没してしまった際にはタオルと密封バックを使って対処をすることが可能です。可能ならなるべく清潔なタオルを準備するようにしましょう。
もし、密封パックが手元にない場合は、ビニール袋とゴムを使うことで、同じように対処することができます。
2.HDDの表面をタオルなどで拭く
必要なものが準備できたら、まずはHDDの表面をタオルで綺麗に拭いていきます。タオルは乾いた状態か硬く絞った状態で拭き取るようにしましょう。この時、小さな石や砂などがHDDに付着している場合はなるべく綺麗に拭き取りましょう。内側から外側にかけて拭き取るようにすることで、不純物がHDDの内側に入ってしまうのを防ぐことができます。
3.HDDを湿ったタオルで包み込む
HDDの表面の汚れや水分を拭き取ることができたら、次はタオルを水で濡らして硬く絞り、HDDを包んでください。パソコンのHDDの場合は、タオルが大きければパソコンごと包んでしまって大丈夫ですが、難しい場合はHDDをパソコンから取り出してから、HDDのみタオルで包むようにしましょう。
4.密封パックに入れる
HDDを濡れたタオルで包んだら、密封パックに入れて乾燥を防ぐようにしましょう。可能であればチャックがついて密封できるものが良いですが、難しい場合はビニール袋に入れて、口の部分をゴムなどで縛る形でも大丈夫です。
水没して故障したHDDのデータを復旧する方法
適切な処置が完了した後は、なるべく早くデータ復旧を行うようにしましょう。ここではデータ復旧を行う方法を紹介していきます。
データ復旧業者に依頼する
HDDの水没は物理障害に分類されるため、個人でデータの復旧を行うことは非常に難しいです。そのため、HDDのデータ復旧業者に依頼をするようにしましょう。基本的に、水没してからデータ復旧の依頼をするまでの期間が短いほどデータ復旧の成功確率も高くなります。
どのデータ復旧業者に依頼するのがいいか迷っているなら、データ復旧協会DRAJに加盟している企業がおすすめです。DRAJに加盟している企業は、データ復旧が成功した場合にのみ費用が発生する、技術力が高くデータ復旧の確率も高いなどの特徴があります。DRAJはデータ復旧の悪徳業者を排除するための活動も行なっているため、安心して依頼をすることができるでしょう。
大事なデータがある場合はメーカー修理に出さない
HDDが水没したり故障したりした時にメーカー修理に出すという選択肢もありますが、データ復旧業者とは違い、メーカー修理に出すとHDD内のデータは全て初期化されてしまうので注意が必要です。大事なデータがある場合は、メーカー修理ではなくデータ復旧業者に依頼をするようにしましょう。
まとめ
HDDの水没は物理障害に分類され、個人で修理を行うのは非常に難しいです。HDDが水没してしまった際には、清潔なタオルで表面を拭き、その後濡れたタオルでHDDを包んで密封パックに入れておきましょう。
ドライヤーで乾かしたり、自分で分解したりすることは、故障の原因になるため絶対に避けるようにしましょう。
少しでも早く復旧のをする方が復旧の成功確率も高くなるので、データの復旧が必要な場合は、なるべく早く専門の復旧業者に依頼をするようにしてください。