消えたSSDのデータは復旧できる？消える原因や復旧方法・おすすめ業者を解説

データを記録するストレージの1つである「SSD（ソリッド・ステート・ドライブ）」は、現在ではHDDに代わって、多くのパソコンに搭載され、外付けSSDとしても使われています。そんなSSDですが、使用する中で「パソコンがSSDを認識しない」「データが消えてしまった」などのトラブルが発生する場合があります。その際、データ復旧できるのか気になる人は多いでしょう。

この記事では、SSDのデータが消えてしまう原因やデータ復旧方法などについて詳しく解説します。おすすめのSSDのデータ復旧業者も紹介していますので、重要なデータを復旧したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

SSD内のデータが消えてしまう3つの原因

SSD内に保存したデータが消えてしまった場合、故障の原因を絞り込むことが大切です。主な原因として3つ挙げられますので、それぞれ確認してみましょう。

原因① 論理障害

論理障害とは、SSDに保存されたデータの破損や、ファイルシステムに不具合が発生して起こる障害のことです。データの削除やフォーマット（初期化）などの誤操作、ファイルやパソコンを動作させるシステムのOSの破損、ウイルス感染などが原因として考えられます。そのほか、データやシステムの更新中に電源を落としてしまい、ファイルやドライブが認識できなくなるケースもあります。

原因② 物理障害

物理障害とは、SSD本体やディスクが物理的に破損してしまう障害をいいます。落下などの衝撃や水没、静電気・落雷による過電流などが原因として挙げられます。ほかには、SSDのデータの書き込み回数が上限に達したり、経年劣化で寿命を迎えたりするケースも物理障害に該当します。

原因③ ファームウェア障害

ファームウェア障害とは、SSDの動作を直接制御するためのソフトであるファームウェアに障害が発生している状態になります。データ容量が正しく認識されなくなったり、データの読み書きができなくなったりする症状が見られます。ファームウェア障害は、ファームウェアアップデートが失敗して起こるケースもあるため、アップデートを実行する前は必ずバックアップをとっておく必要があります。

SSDのデータ復旧はHDDより難しいって本当？

SSDやHDDはどちらもデータを記録するためのストレージですが、SSDのデータ復旧はHDDよりも難易度が高いです。ここでは、その理由を詳しく解説します。

SSDとHDDの仕組みの違い

HDDはレコードのような円盤部分に、磁気ヘッドと呼ばれる部品を使ってデータを記録する仕組みになっています。HDDは、SSDよりも保存できる容量が多いため、大容量のデータを扱うのに適していますが、処理に時間がかかる・動作音や振動が発生する・衝撃に弱いなどの特徴があります。

一方、SSDは内蔵するフラッシュメモリにデータの読み書きを行う仕組みになっており、HDDのように動く部品がなく、電子的な操作のみでデータの読み書きを行えるため、処理速度が速いです。さらに、軽量で振動や衝撃に強いという特徴も備えています。

SSDのデータ復旧難易度は高い

SSDは内部のNADA型フラッシュメモリにある、「セル」と呼ばれる細かく区切られた領域にデータを分散して記録します。そのため、データを記録したセルが1つでも壊れると、関連するデータの復旧が困難になります。

また、SSDはHDDと異なり、データの削除や上書きをする際に元のデータを消去する仕組みになっていることも、HDDよりもSSDのほうがデータ復旧が難しくなる要因です。

このように、SSDとHDDは仕組みや特徴などの違いから、SSDのほうがHDDよりもデータ復旧の難易度が高くなっています。

SSDのデータ復旧方法

SSDのデータ復旧方法は2種類あり、「自分でデータ復旧ソフトを使用する」か「データ復旧業者に依頼する」かのどちらかになります。それぞれ見ていきましょう。

自分でデータ復旧ソフトを使用する

フリーもしくは有料のSSDのデータ復旧ソフトを使用して、自分で作業する方法です。作業を行う場合は、データの障害状況を見極める必要があります。具体的な症状例については、次の項目で紹介します。

また、データ復旧ソフトを選ぶ際は、スキャン性能や復旧力を比較して、性能のよいソフトを選ぶことが重要です。あとの項目で、おすすめのSSDのデータ復旧ソフトも紹介していますので、チェックしてみてください。

データ復旧ソフトで対応可能な症状例

データ復旧ソフトで対応可能な症状は、軽度な論理障害のみになります。具体的な症状例は、以下のとおりです。

• 誤ってデータを削除してしまった
• 誤ってフォーマット（初期化）してしまった
• 作業時にファイルを上書きしてしまった
• PCがSSDを認識しなくなった

このような症状の場合、データ復旧ソフトでも対応できる可能性があります。ただし、状況によっては症状を悪化させるリスクが伴うため、判断に迷うときは無理せず、専門業者に相談しましょう。

データ復旧業者に依頼する

安全かつ確実にデータを取り出すなら、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。後述でも触れますが、データ復旧ソフトでは衝撃や水没などの物理障害、重度の論理障害には対応できません。また、軽度の障害でもデータ復旧ソフトの操作を誤ってしまうと、症状が深刻化して、データの復旧が著しく困難になる可能性があるので注意が必要です。

すでに触れたとおり、SSDのデータ復旧難易度は高いため、大事なデータを取り出したい場合は、データ復旧業者に依頼するようにしましょう。あとで、おすすめのSSDのデータ復旧業者を紹介していますので、信頼できる業者を選びたい方はぜひ参考にしてみてください。

データ復旧ソフトを使用する際の注意点

SSDのデータ復旧ソフトを使って自分でデータ復旧を行う場合、以下のことに注意が必要です。あらかじめ把握しておきましょう。

物理障害には対応できない

データ復旧ソフトは、物理障害には対応できません。そのため、衝撃で破損するなどの物理障害が発生している場合、データ復旧ソフトを使用しても効果はなく、無理に進めてしまうと、SSDの障害を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

データ復旧に失敗した場合は復旧難易度が高くなる

データ復旧ソフトを使用したにもかかわらず、復旧に失敗した場合、状況がより深刻になり、復旧の難易度が高くなってしまいます。また、何度も作業を繰り返すと、データ復旧率が下がってしまうため要注意です。

専門知識がなく、原因を正確に見極められない場合は、安易にデータ復旧ソフトを使用せず、知識と技術のあるデータ復旧業者に依頼するのがおすすめです。

おすすめのSSDのデータ復旧業者3選！

SSDのデータを復旧する前の注意点

SSDのデータを復旧する前の注意点が4つあります。正しく対処できるように把握しておきましょう。

PCやケーブル、周辺機器に問題がないか調べておく

​​SSDが認識されない場合、PCやケーブル、周辺機器がきちんと接続されておらず、電力供給ができていないケースがあります。データ復旧を行う前に、それぞれに問題がないか確認することが大切です。

もしUSBケーブルが接続されているのにSSDが認識されないときは、断線している可能性があります。同じUSBケーブルが手元にあれば、交換して試してみましょう。

SSDのフォーマットは行わない

SSDが認識されなくなったときに、「フォーマットする必要があります」などのエラーメッセージが表示される場合があります。フォーマットを行うと、SSDに保存していたデータがすべて消去されてしまうため、エラーメッセージが表示された際は、まずは操作を中止することが重要です。安易にSSDのフォーマットは行わないようにしましょう。

SSDの通電や再起動を繰り返さない

SSDに障害が発生したときは、通電や再起動を繰り返さないようにしましょう。通電したままにしたり、何度も再起動したりすると、症状が悪化したり、データが破損したりする可能性があります。データ復旧の確率を下げないためにも、異変に気づいたら、電源を切って専門業者に相談することが大切です。

メーカー修理には出さない

故障が疑われる際、メーカーに修理を依頼する方法もありますが、修理に出してしまうと、SSD内のデータが初期化されてしまう可能性があるので注意が必要です。バックアップがない場合は、データ復旧業者に任せるようにしましょう。

まとめ

SSDは複雑な構造をしているため、HDDよりもデータ復旧の難易度が高いです。万が一、パソコンがSSDを認識しなくなったり、データが消えてしまったりした場合は、状態を悪化させないようデータ復旧の専門業者に相談するのがおすすめです。豊富な知識と実績、高い技術力のある業者なら、的確に原因を特定して適切に対処できます。重要なデータを安全に取り出すために、信頼できる業者に依頼しましょう。