データの復旧依頼は恥ずかしい？業者に依頼した際のリスクも詳しく解説

HDDやSSD、USBメモリ、スマートフォンなどのデータが消えてしまいデータ復旧をしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

こういったデータを取り戻すためには自力でデータ復旧ソフトなどを使用して復旧する方法と専門業者に依頼する方法がありますが、データ復旧の成功率や失敗した際のリスクを考えるとデータ復旧の専門業者に依頼することをおすすめしています。

しかし、個人情報やプライベートな写真などが多く入っているHDDのデータ復旧を業者に依頼すると中身を見られてしまわないか不安になってしまうこともあるかと思います。

そこで、この記事ではデータ復旧業者に依頼をした際に中身を見られてしまうのかという点について詳しく解説していきます。信頼できる業者の選び方も紹介しているので、データ復旧を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

データ復旧業者に依頼をすると中身を見られてしまう？

まずは、HDDやUSBメモリなどのデータ復旧を業者に依頼した際に中身を見られてしまうことがあるのかについて解説していきます。

基本的にはデータを見られる心配はない

結論から言うと、基本的にはデータ復旧業者にHDD内のファイルの中身を見られる心配はありません。ただし、作業の過程やデータ復旧が完了した段階でファイルの名前が目についてしまうことはありますし、本当にデータ復旧が完了したかを確認するために何個かファイルを実際に開いてみるというケースはあります。

これらはあくまでファイルが正常に開けるかを確認するためのものであり、ファイルの中身をじっくり見るわけではないので、その点は安心しましょう。

復旧業者がデータを確認する方法

データ復旧業者は、基本的にデータが復旧できたかに関して、ファイル構造の検証と複数ファイルを開いてみて問題なく復旧できているかの確認を行うことになります。HDD内のデータを全て確認することは不可能なので、ファイル構造の検証によってファイルが正しい場所に戻っているかを確かめています。また、こちらから絶対に復旧してほしいといったデータがある場合は、そのデータが確実に復旧できているかを確認するために実際に開いて確認することもあります。

悪徳業者に依頼した場合は見られる可能性があるので注意

先ほどデータ復旧業者に依頼をしても基本的にファイルの中身を見られることはないとお伝えしましたが、悪質な業者に依頼をしてしまった場合は中身を見られたり、最悪の場合個人情報を抜き取られてしまうといったケースがあります。

そのため、データ復旧を依頼する際には信頼できる業者を見極めることが何よりも重要です。悪徳業者には下記のような特徴があることが多いです。

• 根拠のない成功率を掲げている
• 実績や事例などを公開していない
• こちらの不安を煽るようなことを言う
• セキュリティ対策を行なっていない
• クリーンルームを保有していない

根拠のない成功率に関しては、復旧実績の公開がホームページなどでされていないのに「データ復旧の成功率95％以上！」といった内容を謳っているケースが多いです。

そのため、自社のホームページ内で過去の事績や事例などをしっかり公開している業者を選ぶようにしましょう。また、詳しくは後述しますが、優良業者であれば「ISO27001」や「プライバシーマーク」といった世界的な認証機関が発行するセキュリティ認証を取得していることが多いので、こういった認証を保有している業者を選ぶことでデータの中身を見られたり情報漏洩してしまうリスクを減らすことができます。

悪徳業者の特徴に関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ一度確認してみてください。

自力でデータ復旧を行う方法

ここからは業者に依頼するのに抵抗がある人に向けて、自力でデータ復旧を行う方法を紹介していきます。

市販のデータ復旧ソフトを使用する

自力でデータ復旧を行う際には、市販のデータ復旧ソフトを使用することになります。有料のソフトもありますが、中には無料でダウンロードすることができるフリーソフトも存在しています。

ソフトにもよりますが、基本的にはデータ復旧ソフトをPCにインストールしてから記録メディアをPCに接続し、データ復旧ソフトの画面に従って操作をしていくことになります。データ復旧ソフトは手軽に試すことができますし、費用もそれほどかからないというメリットがあります。しかし、「物理障害の場合は復旧できない可能性が高い」「復旧に失敗すると症状が悪化する可能性がある」といった注意点があるので、ソフトを使用する前にしっかり検討してから使うようにしましょう。

注意点1. 物理障害の場合は復旧できない可能性が高い

HDDなどの記録メディアに発生する障害は大きく「論理障害」と「物理障害」に分けることができます。論理障害はデータやファイルそのものにエラーが発生している状態のことで、間違ってファイルを削除してしまったケースやフォーマットをしてしまったケース、ウイルスに感染してしまったケースなどが挙げられます。物理障害はその名の通りHDDなどに物理的な障害が発生している状態のことで、HDDを高いところから落としてしまったケースや水没させてしまったケースなどが挙げられます。また、経年劣化による故障もこの物理障害に該当します。

このうち、市販のデータ復旧ソフトで対応できるのは基本的に軽度の論理障害のみとなり、物理障害や重度の論理障害の場合はデータの復旧ができない可能性が高いので注意が必要です。

注意点2. 復旧に失敗すると症状が悪化する可能性がある

データ復旧の成功確率は、基本的に復旧を行えば行うほど低くなる傾向にあります。市販のデータ復旧ソフトを使用して復旧に失敗してしまうと、その後データ復旧業者に依頼したとしても復旧できない可能性や通常よりも費用がかかってしまうことがあるので、大切なデータが入っている場合は最初の段階でデータ復旧業者に依頼することを検討するようにしましょう。

信頼できるデータ復旧業者の選び方のポイント

ここからは信頼できるデータ復旧業者を選ぶ際のポイントをいくつか紹介していきます。優良業者に依頼を行えばデータ復旧時に中身を見られるリスクはかなり低くなるので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

成果報酬型を採用している

データ復旧を依頼する際には成果報酬型を採用している業者に依頼するのがおすすめです。成果報酬型とはデータの復旧に成功した場合にのみ費用が発生するという仕組みで、万が一失敗した場合は費用を払う必要がないため、安心して依頼することができるというメリットがあります。

ただし、悪徳業者の中には成果報酬型を採用しているがその代わり事前の調査で高額な費用をとるといったケースもあるので注意しましょう。

官公庁や大手企業からの実績がある

優良業者を見極めるためには、データ復旧の実績を確認するのも効果的です。特に官公庁や大手企業からの実績が多数ある業者であれば、セキュリティもしっかりしている可能性が高いのでおすすめです。

セキュリティに関する認証を保有している

個人情報の漏洩やデータを見られることを防ぐためにもセキュリティに関する資格を保有している業者に依頼をするようにしましょう。具体的には「ISO27001」や「プライバシーマーク」を保有している業者がおすすめです。また、作業をする前に秘密保持契約書（NDA）を締結する業者もあるので、事前に確認をしておくようにしましょう。

クリーンルームを保有している

クリーンルームは情報漏洩とは関係ありませんが、保有している業者はしっかりと自社で復旧作業を行う可能性が高いのでおすすめです。クリーンルームを保有しておらず、自社ではなく外部に依頼をするような業者の場合、その外部の業者経由で情報が漏れてしまったり悪用されてしまう可能性があります。クリーンルームを持っている業者はそれだけデータ復旧という業務に力を入れていると考えることができるため、技術力の観点からも安心して依頼できる可能性が高いです。

迷った時はデータ復旧協会DRAJに加盟している業者がおすすめ

悪徳業者を避けて依頼をしたい場合やデータ復旧業者が多すぎてどこに依頼すればいいかわからないという方はデータ復旧協会DRAJに加盟している業者に依頼することをおすすめします。

データ復旧協会DRAJとは、データ復旧のトラブルで困っている人が安心して利用できるサービスを提供するために設立された企業団体で、データ復旧業界から悪徳業者を排除して業界を健全化するための活動を行なっています。その中でも常任理事を務める5社は豊富な実績とトップクラスの技術を持っており、「データ復旧作業時に中身を見られて恥ずかしい思いをする」といったリスクもほとんどないのでおすすめです。

データ復旧協会DRAJに関する詳細はこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ一度確認してみてください。

データ復旧協会DRAJとは？活動方針や所属する企業、悪徳業者を見極めるポイントを解説

データ復旧のおすすめ業者3選！

データ復旧依頼をする前にやってはいけないNG行動

データ復旧を専門業者に依頼する前にやってはいけないことがいくつかあるので紹介していきます。これらを行うことによって取り出せるはずだったデータが取り出せなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

HDDの通電や再起動を繰り返す

HDDなどの記録媒体のデータが消えてしまった際に通電を続けることや再起動を繰り返すことはなるべく避けるようにしましょう。通電や再起動を行うことで記録媒体に負荷がかかってしまい、症状が悪化してしまう可能性があります。

自力で分解を行う

HDDなどを高いところから落としてしまったりした場合に、自分で分解を行なって復旧を試みるのは絶対に避けるようにしましょう。記録媒体は精密機器なのでほこりや指紋が部品に付着するだけで故障したり症状が悪化する可能性があります。本来であればクリーンルームと呼ばれる場所で分解を行うことが推奨されており、分解を行なったことにより復旧難易度が上がったり、復旧を断られることもあるので注意しましょう。

原因が分からないままデータ復旧ソフトを使用する

データ復旧ソフトを使用すれば手軽にデータ復旧を試すことが可能ですが、その代わり失敗してしまうリスクも十分にあります。軽度の論理障害であれば復旧できる可能性は高いですが、重度の論理障害や物理障害の場合は復旧できない可能性が非常に高く、症状が悪化してしまうケースも多いので、原因がわからない場合や絶対に取り戻したい大切なデータが入っている場合はなるべく早い段階で専門業者に依頼をすることをおすすめします。

フォーマットを繰り返す

フォーマットとは、HDDなどの記録媒体をパソコンの使用環境（WindowsやMacなど）に合った形で初期設定をする処理のことを言います。すでにデータが入っている機器に対してフォーマットをしてしまうと、初期化されてしまい中に入っているデータが消えてしまいます。

一度のフォーマットであればデータを復旧できる可能性が高いですが、何度もフォーマットをしてしまうと復旧難易度が一気に上がってしまうので、間違ってフォーマットをしてしまった際にはそれ以上症状を悪化させないためにも電源を落としてフォーマットを繰り返さないようにしましょう。

データ復旧のよくある質問

違法データの復旧を依頼した場合はどうなる？

基本的に違法データが含まれている場合は、復旧依頼を断られるケースが多いです。また、前述した通りデータ復旧作業時にファイルの中身を見られることはほとんどありませんが、作業を行う過程でフォルダ名やファイル名などを見られるケースはあります。その際に違法データと思われるフォルダ名やファイル名が発見された場合、復旧業者側から解約の申し出があるケースも存在します。

違法データに関する注意事項に関しては、依頼する際の契約書などに書かれているケースが多いです。

復旧依頼をしたHDDに違法データがあると通報される？

復旧データに明らかな違法性がない限り、通報されるケースはほとんどありません。ただし、児ポ法といった違法性が明確に確認できる場合は、通報される場合があります。違法データを保有していないことが前提ですが、疑わしいデータの復旧を依頼する場合は、事前に連絡しておくとよいでしょう。

違法データを取り扱うことは、データ復旧業者にとっても法に触れるリスクがある危険な行為です。復旧業者は違法データの取り扱いに警戒していること、復旧作業中にデータの内容を目にする可能性があることを認識しておきましょう。

HDD内の個人情報を盗まれる可能性はある？

セキュリティに関する認証を保有している業者であれば、基本的には個人情報を盗まれたり漏洩してしまうといったリスクはありません。しかし、悪徳業者に依頼をしてしまうと個人情報などに関するデータを盗まれてしまう可能性があるため、依頼前にしっかりと優良業者かどうかを見極める必要があります。

まとめ

データ復旧を専門業者に依頼した場合、作業の過程でファイル名やフォルダ名を見られてしまう可能性はありますが、ファイルの中身を悪意を持って見られるといった心配はありません。ただし、悪徳業者に依頼をしてしまうとファイルの中身を見られるだけでなく、最悪の場合個人情報を盗まれてしまう恐れもあります。

そのため、データ復旧依頼を行う際には、セキュリティに関する認証を保有している優良業者を選ぶことが大切です。

迷った時はデータ復旧協会DRAJに加盟している企業から選べば悪徳業者に依頼してしまうを減らすことができるのでおすすめです。