ノートパソコンや外付けHDDなどは持ち運びに便利なので、外出先でも使用されている方は多いのではないでしょうか?しかし、外出先で機器を紛失してしまった、または盗難に遭ってしまった場合、保存されているデータが外部に流出してしまう恐れがあります。 保存されているデータの中には、仕事で使うデータで言えば顧客情報や社外秘の情報などがありますし、そもそも個人情報が含まれているものです。このような重要なデータが流出してしまうと自分だけではなく職場や顧客、取引先などに迷惑をかけてしまうため大変危険です。 そんな事態を防ぐためにも、HDDは暗号化しておく必要があります。 この記事では、そんなHDDの暗号化について詳しく紹介していきます。暗号化の重要性や暗号化を行う方法、種類、技術などについても紹介しているので、情報漏洩対策を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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HDDの暗号化とは?
HDDの暗号化とは、セキュリティ対策のためにパソコンのHDDを暗号化することです。暗号化されたHDDは、認証情報などを把握していない第三者がデータを閲覧したり編集したりすることができません。
HDDの暗号化が必要な理由
HDDの暗号化は、情報漏洩を防ぐために欠かせません。データはネットワークを通した不正アクセスで漏洩してしまうこともありますが、HDDやパソコンそのものが紛失・盗難に遭って流出する可能性もあります。万が一紛失や盗難に遭った時のためにデータを閲覧できないようにしておく必要があります。
情報漏洩を防ぐことができる
外出先でどこかに置き忘れてしまう、盗難に遭ってしまうなど、このようなトラブルが発生すると外部に重要なデータが流出してしまう恐れがあります。このような場合、保存データの中に含まれる個人情報が外部に流出してしまう可能性もあります。
しかし、暗号化をしておけば他人がデータを取り出すことができなくなるので、もしも紛失や盗難の被害に遭ってもデータや個人情報の流出を防ぐことができます。また、暗号化すれば、もしも不要になって廃棄処分した場合でも、他人から重要データや個人情報を抜き取られることもありません。
そんなHDDの暗号化にはいくつかの種類があり、それぞれで特徴が異なる仕様になっています。詳しい種類や特徴は後ほど紹介しているので、HDDを活用している方はぜひ最後まで読んでみてください。
ログインパスワードだけでは安心できない
ログインパスワードを設定しておけば安全だと思う方も多いかと思いますが、実際には知識があれば他人から簡単に解除されてしまうので危険です。ログインパスワードはトラッキングツールを使うことで、簡単に解除されてしまいます。
そのため、もしも紛失・盗難に遭った場合は他人から情報を抜き取られる可能性は十分にあると言えます。また、HDDそのものを抜き取られてしまった場合、ログインパスワードを設定していても意味がありません。
しかし、暗号化しておけば機器そのものを抜き取られたとしても、中身のデータや情報は抜き取ることができないので安心です。
USBやCDなども暗号化することが可能
仕事の重要なデータを、USBやCDに移して持ち運ぶこともあるでしょう。HDDの暗号ソフトによっては、USBやCDなどの外部記憶装置を暗号化できるものがあります。USBやCDはなくさないよう丁寧に扱うのが前提ですが、万が一紛失したときも暗号化しておくとデータの流出を防げる可能性があります。
自動で暗号化ができれば導入のハードルが下がる
暗号化ソフトによっては、「所定のフォルダに入れる」「外部記憶装置に書き込む」といった条件を満たせば自動で暗号化されるものもあります。
自動で暗号化できる仕組みを利用すると、作業者が暗号化対応を失念していたとしても情報漏洩を防止できて安心です。
手動での暗号化が負担に感じる場合は、自動で暗号化できるソフトを利用してみましょう。
HDDの暗号化の種類
HDDを暗号化する重要性については、これまでの内容からお分かりいただけたと思います。ちなみに、暗号化をしておくとパソコン起動時に承認プログラムが表示され、IDとパスワードを入力しなければOSを起動できない仕様になります。
そんな暗号化には3種類のツールが存在しており、それぞれで異なる特徴を持っています。そこで、ここでは暗号化の種類と特徴について解説していきます。セキュリティ強化のために暗号化を導入する方は、以下の内容を参考にしてみてください。
HDD全体の暗号化
OSを含むすべてのデータを暗号化できるツールなので、HDD全体を暗号化することができます。もしもパソコンのHDDだけを抜き取られてしまった場合でも、保存データを盗まれる心配がないので安心です。
しかし、このツールは保存データを暗号化しているわけでなないので、他の記憶媒体にデータを移した場合、そのデータは非暗号化の状態となってしまいます。例えば、暗号化しているHDDからデータをUSBメモリに移した場合、USBメモリからデータを抜き取ることが可能となります。
ドライブ単位の暗号化
ドライブ単位の暗号化は、データ用として使用されるドライブ、またはOSが保存されているドライブを個別に守ることができるツールです。例えば、CドライブにはOS、Dドライブにはデータが保存されている場合、情報を守りたいのはDドライブの方になります。
この場合、Dドライブに暗号化ツールを使うことで、保存データを守ることができます。しかし、このツールは使用するドライブを間違えてしまうと当然ですがそのドライブは暗号化されていない状態になります。
そのため、ドライブ単位で暗号化を行う場合は、指定するドライブを間違えないように注意しましょう。
フォルダやファイル単位の暗号化
フォルダ、またはファイル単位の暗号化は、その名の通りフォルダやファイル単位で情報を守ることができるツールとなっています。
例えば、仕事で使用する顧客情報や社外秘など、外部に情報が洩れてはいけないデータを個別で守ることができます。しかし、暗号化したファイルはフォルダを開く度に複合作業が必要になるので、少し面倒に感じるといった点がこのツールのデメリットになります。
また、システム関連のファイル、またはフォルダを暗号化した場合、パソコン自体が起動しなくなるケースがあるようです。そのため、ツールを使用するファイルやフォルダには注意が必要だと言えるでしょう。
ポータブルHDDや外付けHDDの暗号化も大切
パソコンだけでなく、ポータブルHDDや外付けHDDも盗難の可能性があります。ポータブルHDDや外付けHDDに重要なデータが保存されている場合は、暗号化対策をしておくことをおすすめします。
ポータブルHDDの暗号化の必要性
ポータブルHDDは、パソコン以上に情報漏洩の危険があります。
パソコンに暗号化対策は必須ですが、仮に対策を行っていなかったとしても起動時のパスワードがかかっています。しかし、ポータブルHDDはパスワードをかけられません。紛失や盗難にあった際に、誰でもデータを閲覧できる状態になっています。
万が一の紛失や盗難に備え、ポータブルHDDにも暗号化対策を実施しておくことをおすすめします。
外付けHDDの暗号化の必要性
外付けHDDを持ち出すことは滅多にないため、暗号化は不要だと思われるかもしれません。
しかし、個人情報などを管理する場合は外付けHDDの暗号化をしておくのがおすすめです。万が一外付けHDDを盗まれてしまった場合、セキュリティ事故になるためです。最初から暗号化機能を備えているソフトを利用すれば、設定の負担が少なくて済むでしょう。
HDDの暗号化を行う3つの方法
HDDの暗号化ツールにはご紹介したように複数の種類があるので、目的に合ったツールを使うことで効果的に情報漏洩対策を行うことができます。それでは、どうすれば目的のデータを暗号化することができるのでしょうか?
ここでは、HDDに暗号化を導入する方法についてまとめています。3つの方法を紹介しているので、大切な情報を守るためにも、以下で紹介するいずれかの方法を使って情報漏洩対策を行ってみましょう。
暗号化ソフトを利用する
HDD全体の暗号化を行うのであれば、専用ソフトを使用する方法があります。ソフトを導入することでパソコン起動時に認証プログラムが起動するようになり、IDとパスワードを正しく入力しなければOSを起動できなくなります。
つまり、承認プログラムをクリアしない以上、HDD内のデータには一切アクセスできなくなるので、他人から操作されることで起こる情報漏洩を防ぐことが可能になります。
暗号化機能のついたHDDを利用する
販売されているHDDによっては、元から暗号化機能が搭載されているものがあります。このような製品を購入すればわざわざ専用ソフトを使う必要がないので、購入後はそのまま使用してもデータを守ることができます。
PC標準搭載の暗号化機能を使う
Windowsパソコンを使う方に限られた方法ですが、Windows10以上であれば標準機能として搭載されている暗号化機能「BitLocker」を使用する方法があります。ちなみに、この機能はドライブ単位での暗号化が可能となっているので、データを保存しているドライブを暗号化したい場合におすすめです。
暗号化に関する様々な技術
暗号化には様々な技術があります。「暗号化を自動で行う」や「特定の条件下にあるときのみ暗号化を行う」など、業務に合わせて利用する技術を選ぶと、暗号化の作業による負担を減らせます。
ここでは、暗号化に関する3つの技術を紹介します。
技術1. 自動で暗号化ができる
「HDDの暗号化は、設定や手順が難しそう」と思う方もいるかもしれません。しかし最近は、自動で暗号化できるソフトが増えています。暗号化の手間が省けるうえ、作業を失念したときも情報が守られて安心です。
自動で暗号化できる技術には、「フォルダに入れるだけ」「特定の情報を含むファイルだけ」など様々な種類があります。暗号化したい情報に合わせて選ぶとよいでしょう。
技術2. 機密情報を含むファイルを暗号化する
暗号化の技術の中には、「特定の機密情報を含むファイルのみを暗号化する」というものがあります。暗号化する情報・しない情報を仕分けするのは手間がかかりますが、特定の情報を含むファイルを暗号化できれば、作業者が意識しなくても情報を安全に管理できます。
技術3. USBなどにデータを入れるときだけ暗号化する
暗号化には、USBなど外部記憶媒体に入れて暗号化する技術があります。パソコンから情報を持ち出すときは、外部機能媒体に移した情報を守らねばなりません。パソコンに暗号化対策を行っていても、USBに対策ができていなければ情報漏洩のリスクが高まります。
パソコンから持ち出す度に暗号化を行うと手間がかかりますが、USBに入れるときに暗号化する技術があれば、作業の負担を減らせます。
HDDの暗号化を行う際の注意点
情報漏洩のリスクを防ぐため、HDDの暗号化は欠かせません。しかし、暗号化を行えば必ず情報が守られるとは限りません。ここでは、HDDの暗号化を行う際の注意点を説明します。
暗号化しておけば絶対に安全というわけではない
HDDの暗号化対策をしておくことによって、HDDが紛失や盗難にあっても第三者に情報が洩れるリスクが少なくなります。しかし、重要なデータが紛失したという事実には変わりありません。暗号化対策だけに頼るのではなく、万が一紛失したときのためのバックアップをとっておき、データを慎重に扱いましょう。
認証情報の管理が重要
HDDを暗号化すると、情報開示のために認証情報を求められることがあります。暗号化するだけでは意識する機会が少ないかもしれませんが、認証情報を求められたときにIDやパスワードが分かるようにしておきましょう。IDやパスワードは第三者に知られてはいけないため、厳重に管理してください。
まとめ
重要な情報が保存されているHDDが盗まれたり紛失にあったりすると、第三者がアクセスするかもしれません。パスワードをかけていたとしても、知識を持つ人であればパスワードを解除することも可能です。万が一に備えて、暗号化対策を行っておきましょう。
HDDの暗号化には、専用ソフトやPC標準搭載の機能などいくつかの方法があります。使用しているパソコンや業務に合わせて対策方法を選びましょう。