Windowsパソコンのデータ復元方法6選！データが消える原因や注意点も解説

「Windowsパソコンのデータを誤って消去してしまった」「何もしていないのにデータが突然消えてしまった」といったお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか？パソコンに起きている障害の種類にもよりますが、正しい対処をすることができれば消えてしまったデータを復元することが可能です。

そこで、この記事ではWindowsパソコンのデータ復元方法や復元前の注意点などについて詳しく解説していきます。大切なデータが消えてしまい困っているという人はぜひ参考にしてみてください。

Windowsパソコンのデータが消えた時の復元方法6選

まずは、Windowsパソコンのデータが消えてしまった際の復元方法を6つ紹介していきます。手軽に試すことができるものもあるので、データが消えてしまった際には落ち着いて試してみましょう。

ごみ箱から復元する

基本的にWindowsパソコンで削除を行ったデータは「ごみ箱」フォルダに入ります。「ごみ箱」に入っただけではデータが完全に削除されているわけではないので、すぐに復元することが可能です。

復元の手順は下記の通りになります。

1. デスクトップなどにある「ごみ箱」を開く
2. 復元したいデータが見つかったらデータの上で右クリックをして「元に戻す」を選択する

誤って削除してしまったデータは、これだけの手順で簡単に復元することができるのでまずは確認してみましょう。

なお、ごみ箱がデスクトップに見当たらない場合は、画面の下にある検索窓に「ごみ箱」と入れることで見つけることができるかと思うので試してみましょう。

ただし、下記のようなケースに該当する場合はデータがごみ箱に入らずに完全に消えてしまうため注意が必要です。

• ごみ箱に入れた後に「ごみ箱を空にする」を実行してしまった
• ごみ箱の設定で「ごみ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する」にチェックが入っている
• 大量のデータを一度に削除した
• ごみ箱機能のないNASのデータを削除した

特に、「ごみ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する」にチェックが入っている場合は、理由がなければチェックを外しておくことをおすすめします。

以前のバージョンから復元する

Windowsにはバックアップの機能として「以前のバージョン」というものが搭載されています。具体的な復元の手順は下記の通りとなります。

1. 消えたデータが保存されていたフォルダを右クリックする
2. 「以前のバージョンの復元」をクリックする
3. いくつかのバージョンがあるので更新日時などを参考に復元したいバージョンを選ぶ

Windows11などのパソコンでフォルダを右クリックしても「以前のバージョンの復元」が表示されない場合は「その他のオプションを確認」の中にある可能性があるので確認してみてください。

ファイル履歴から復元する

Windows10や11にはファイル履歴という機能があるので、こちらを利用することでデータの復元をすることが可能です。詳細な手順は下記の通りとなります。

1. タスクバーにあるスタートボタンをクリックし、検索窓に「ファイル履歴」と入力する
2. 「ファイル履歴（コントロールパネル）」を選択する
3. 「個人用ファイルの復元」をクリックする
4. 復元したいファイルやフォルダーを右クリックして復元を選択する
5. 「元の場所に復元します」もしくは「ファイルを置き換える」をクリックする

ただし、こちらの機能は事前に「ファイルの履歴を保存する」を「オン」にしておく必要があり、「オフ」の状態では復元することができないため注意が必要です。

もし「オフ」になっている場合は上記の手順2で出てくる画面で「オンにする」を選択するようにしましょう。

システムの復元機能を使用して復元する

Windowsパソコンにはパソコン全体をある特定のタイミング（復元ポイント）まで戻す機能が搭載されています。この機能を使用することで消えてしまったデータを復元することが可能なのですが、「パソコン全体」が以前の状態に戻ってしまうという点には注意が必要です。

例えば、「A」というファイルを誤って削除してしまい復元ポイントまで戻す際に、復元ポイントよりも後に「B」と「C」というファイルに変更を加えていた場合、「A」「B」「C」すべてのファイルのデータが元に戻ってしまうことになります。

1つのデータを復元するために他のデータが書き換わってしまっては本末転倒になってしまうので、システムの復元機能を使用する際には、必要なデータのバックアップを取っておくなどの対処が重要です。

システムの復元を使用する手順は下記の通りとなります。

1. タスクバーにあるスタートボタンをクリックし、検索窓に「復元ポイントの作成」と入力する
2. 「復元ポイントの作成（コントロールパネル）」を選択する
3. 「システムの復元」をクリックする
4. 画面の表示に従い復元したい日時の復元ポイントを選択し「次へ」をクリックする
5. 内容に問題ないか確認したのちに「完了」をクリックする
6. 「いったんシステムの復元を開始したら、中断することはできません。続行しますか？」という内容のアラートが表示されるので、問題なければ「はい」をクリックする
7. パソコンが再起動されるので、「システムの復元が正常に完了しました」と表示されたら「閉じる」をクリックする

これらの作業には時間がかかるケースが多く、実行中はパソコンの操作ができなくなってしまうため時間があるタイミングで実行するようにしましょう。

データ復元ソフトを使用する

上記の4つの方法はWindowsに搭載されている機能を使用することで行うことが可能ですが、設定がうまくできていなかったりすると希望の状態にデータを戻すことができないケースもあります。

そういった場合には市販のデータ復元ソフトを使用することで、データを取り戻せる可能性があります。データの復元ソフトにはいろいろな種類があり価格もさまざまであるため、自分のパソコンに発生している症状などを見極めたうえでソフトを探すようにしましょう。

ただし、データ復元ソフトを使ったからといって必ずしも復元に成功するわけではないという点には注意が必要です。ソフトの使用方法を間違えてしまうと、かえって症状が悪化するケースもありますし、万が一失敗した場合はデータ復元の成功確率が一気に下がってしまいます。

また、万が一Windowsパソコンのデータが消えた原因がHDDの物理的な破損などであった場合は復元ソフトでは対応することができません。自力で復元できる可能性のある障害については後ほど詳しく解説するので、しっかりと症状を見極めたうえで対処法を決めることが大切です。

大切なデータがある場合にはデータ復旧業者への依頼がおすすめ

Windowsに搭載されている機能では復元できず、大切なデータを確実に取り戻したいと考えている場合は、データ復旧の専門業者に依頼することをおすすめします。データ復旧業者は専門知識と経験が非常に豊富であるため、Windowsパソコンに発生している障害などに応じた適切な対応をしてくれます。

データの復元成功確率もソフトを使用した時よりは高いケースがほとんどであるため、大切なデータが入っている場合はなるべく早めの段階で依頼を検討するようにしましょう。

ただし、様々なデータ復旧業者が存在しているため、どこに相談すればいいのか悩んでしまう人も多いかと思います。悪徳業者に依頼してしまわないためのチェックポイントを下記にまとめているので、こちらを参考に業者選びを進めるようにしてください。

• 完全成果報酬型を採用しているか
• 料金体系が明確で追加費用などの説明があるか
• セキュリティ対策に力を入れているかどうか
• 不安を煽るような発言が多い業者は避ける
• データ復旧成功率が高い会社であるか
• 短期間で対応してもらえるか
• 大手企業や官公庁からの依頼実績があるか

業者を比較するのが面倒という場合には、最低限「データ復旧協会DRAJ」に加盟している業者から選ぶようにしましょう。DRAJとは2009年に設立された企業団体で、データ復旧に関するトラブルで困っている方が安心して利用できるよう活動しています。悪徳業者を排除することを目的として活動しているため、信頼できる業者に依頼できる可能性が高いといえるでしょう。

おすすめのデータ復旧業者3選！

急ぎでデータ復旧業者を探している人に向けて、当サイトでおすすめしているおすすめのデータ復旧業者をいくつか紹介していきます。信頼できる業者を探している場合にはぜひ参考にしてみてください。

おすすめのデータ復元ソフト

データ復元を自力で試したいと思っている方に向けて、おすすめのデータ復元ソフトを1つ紹介しておきます。

Recoverit

Windows・Macの両方に対応している無料のデータ復旧ソフトで、操作方法が簡単なので初心者でも使いやすいソフトとなっています。日本語表記なので操作中に悩む心配がないのはうれしいポイントです。

データのスキャン機能があるため、簡単に目的のデータを復旧することができますし、対応している拡張子ファイルの種類も豊富なため気になる方は試してみてもいいかと思います。

ただし、データ復元ソフトは使用方法を間違えると症状を悪化させてしまうケースがあるため、自信がない場合はデータ復旧業者に依頼することをおすすめします。

Windowsパソコンのデータ復元を行う前の注意点

ここからは、Windowsのデータ復元を行う前の注意点について解説していきます。

パソコンの再起動や電源のオン・オフを控える

Windowsに搭載されているHDDなどに異常が起きている場合、パソコンの再起動や電源のオン・オフ作業によって負荷がかかり、症状が悪化してしまうケースがあります。データが消えてしまって焦る気持ちはわかりますが、データが消えた最初の段階ではまだパソコン内部に見えない形でデータが残っているケースがほとんどです。

データ復元の成功確率を下げないためにも、パソコンに負荷のかかる作業は行わないようにしましょう。

フォーマットは絶対に行わない

データ復元を行う前に特に気を付ける必要があるのは「フォーマット」です。フォーマットとはHDDを新しいパソコンなどで使える状態にする作業のことで、データが入った状態のHDDをフォーマットしてしまうと内部のデータがすべて削除されてしまいます。

ちなみに、データ復旧業者であればこの状態のHDDでもデータ復元をできることが多いのですが、フォーマットをしたHDDをさらにもう一度フォーマットしてしまった場合、復旧成功確率は一気に下がってしまうので注意しましょう。

なるべく早めに対処を行う

Windowsパソコン内のデータが消えた場合、なるべく早めに対処を行うことも大切です。時間が経ってしまうとファイルが上書きされてしまい、希望の状態に戻すのが困難になるケースもあります。

データを自力で復元できる可能性のある障害

ここでは、自力でデータを復元できる可能性のある障害例をいくつか紹介していきます。下記に該当するからといって必ずしも復元に成功するわけではないですが、Windowsパソコンに発生する障害の中では比較的軽度のものになります。

• 誤操作で必要なファイルやフォルダを削除した
• ごみ箱内に必要なデータがあったがごみ箱を空にしてしまった
• 誤ってHDDをフォーマットしてしまった
• データにアクセスしているときに電源を切ってしまった
• パソコンがウィルスに感染してデータが見れなくなった

上記のような症状は「論理障害」と呼ばれ、HDDの物理的な故障とは異なり人為的なミスなどが原因となり発生します。

症状の重症度にもよりますが、多くの場合は正しい対処法を取ればデータを復元できる可能性が高いといえます。

データの復元が難しくなる障害

次に、自力でのデータ復元が難しくなる障害例をいくつか紹介していきます。

• HDDを水没させてしまい起動しなくなった
• 落雷の影響で電源が入らなくなった
• HDDを高いところから落としてしまった
• 経年劣化でHDDが寿命を迎えた
• フォーマットを何度も繰り返した

HDDを落としたり水没させてしまい起動しなくなった状態は「物理障害」と呼ばれ、データ復旧ソフトなどを用いた個人でのデータ復元はほぼ不可能となります。データ復旧の専門業者であれば対応できるケースもあるので、まずは相談してみることをおすすめします。

また先ほどもお伝えした通り、一度のフォーマットであれば復旧できる可能性が高いですが、フォーマットを何度も繰り返してしまった場合は重度の論理障害に分類され、専門の業者でも復旧が難しいケースがあります。

Windowsパソコンのデータ復元に関するよくある質問

最後にWindowsパソコンのデータ復元に関するよくある質問についてお答えしていきます。

HDDのデータ保存と削除の仕組みは？

HDDにデータを保存する場合、データは小さなサイズに分割され、「プラッタ（磁気ディスク）」と呼ばれる部品の空いている保存領域に書き込まれます。保存領域の空き状況によってはデータが連続して書き込めないことがあるので、そういったケースでは分散して書き込まれることもあります。その際、保存領域のどこに書き込まれているかの情報は「管理領域」に記録されているため、データが分散して書き込まれていても、それぞれのデータに素早くアクセスできるようになっています。

一方、データを削除する場合は、管理領域に「削除」と記録されることになります。ただし、この段階では保存領域にあるデータは残ったままの状態となっています。この残っているデータに新しいデータが上書きされるときに初めてデータ自体が削除されるという仕組みになっています。

HDDのデータはなぜ復旧できるの？

上記でお伝えした通り、保存領域にあるデータが新しいデータで上書きされることによってデータの削除が行われるため、データを削除した直後で元のデータがまだ上書きされていない状態であればデータ復旧が可能となるのです。

Windowsのデータが消える原因は？

Windowsパソコンのデータが消える原因は途中で紹介した通り「論理障害」と「物理障害」に分けられます。このうち誤ってデータを削除したり上書きしたりといった人為的なミスは「論理障害」、パソコンに衝撃を加えてしまったり水没させてしまった場合や経年劣化により部品が壊れてしまった場合は「物理障害」に該当します。

いずれもデータ復元を確実にしたいと考えている場合はデータ復旧業者に依頼することをおすすめしますが、ミスによるデータの削除などが原因となっている場合はWindowsに搭載している機能で復元できる可能性があるのでまずは試してみるようにしましょう。

大切なデータを守るために普段からできることは？

Windowsパソコンのデータを守るためにも普段からバックアップを定期的に取っておくことをおすすめします。バックアップを取ることで、すべてのデータとまではいかないまでも、ある程度のデータであればすぐに復元することが可能になります。

バックアップは外付けHDDやクラウドサービスなど様々な場所に取ることができるので、費用や使用環境などに合わせて適切なものを選ぶようにしましょう。

まとめ

Windowsパソコンのデータが消えてしまった場合、まずは焦らずにごみ箱を確認したりWindowsに搭載されている「以前のバージョン」や「ファイル履歴」「復元ポイント」などを使用して復元できそうか確認してみましょう。難しい場合は、データ復旧ソフトを使用する方法もありますが、失敗して症状が悪化するリスクを考えると、可能な限りデータ復旧業者に依頼をすることをおすすめします。

データの復元を行う前にはパソコンの通電や再起動を繰り返したりフォーマットを行うことは避けてなるべく早めに対処を行うことも大切です。