HDDやUSBメモリなどの記録媒体を誤ってフォーマットしてしまい、大事なデータが消えてしまったという事例は少なくありません。フォーマットしたデータは基本的に復元できますが、フォーマット後の対応によっては復元が難しくなってしまうケースもあるため注意が必要です。
この記事では、フォーマットしたデータを復元する方法、復元する際の注意点などを詳しく解説しています。データ復元業者の選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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そもそもフォーマットとは?
フォーマットとは、HDDやUSBメモリといった記録媒体をパソコンの使用環境に合わせて設定する処理のことです。すでに使用している記録媒体に対してフォーマットを行うと、記録媒体が初期化されてデータが消えてしまいます。
パソコンで作業をしているときに何らかの理由で「フォーマットを実行しますか?」とメッセージが表示されることがあります。このときに、フォーマットの機能をよく知らないまま実行すると、意図せずに大事なデータを消してしまうことになるので注意が必要です。
フォーマット機能がある理由
フォーマット機能がある理由は、データトラブルの改善やデータ整理をするためです。誤ってフォーマットすると大事なデータが消えて困ることになりますが、目的を持って行うフォーマットには以下のメリットがあります。
データトラブル(論理障害)改善のため
実行することで保存データがすべて失われてしまうことから、「フォーマット=初期化」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、厳密にはシステムファイルを再構築するというのが本来の機能となっています。
この機能は論理障害が発生した際の改善方法の1つとされています。論理障害は、HDD自体は正常なのですが、システムファイルが破損することで発生する障害です。そのため、フォーマットを行うことで破損したシステムファイルを再構築することができるので、データトラブルを改善することが可能だと言われています。
保存データの整理をするため
フォーマット機能は論理障害の解決だけでなく、保存データの整理整頓にも利用されている機能です。実行することで保存データを全て削除することができるので、「不要な保存データが多く1つずつ整理するのは面倒だ」という場合にフォーマットを行いデータファイルの全削除が可能となっています。
このように、トラブル改善だけでなく便利な活用方法としても利用されることがあります。しかし、これらを目的とした使用はフォーマットの機能性を理解した上で行わなければ、データ復旧が必要になるので注意が必要です。
フォーマットの種類と特徴
フォーマットには、通常のフォーマットとクイックフォーマットの2種類があり、どちらの方法でフォーマットしたかによってデータ復元の難易度が変わります。
通常のフォーマット
通常フォーマットとは、外付けHDDやUSBメモリなどを初めて使用する際に行うフォーマットです。新しく購入した記録媒体を使用前にフォーマットすると初期不良がないかの確認ができるため、主に動作チェックとして行われます。
初めて使用する際に不具合がないかを確認できるので、安心してデータを保存することができます。ただし、フォーマット完了までに半日以上かかることもあるので、時間に余裕があるときに行いましょう。
クイックフォーマット
クイックフォーマットは、短時間で行うフォーマットです。フォーマットに時間をかけたくないときや、すぐに消す予定のデータを保存する際にはクイックフォーマットが便利です。ただし、通常のフォーマットと比べて短時間でフォーマットする分、初期不良などの不具合を把握できず、障害に気づきにくいデメリットがあります。
フォーマットと初期化の違い
「フォーマットと初期化は違うのか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。フォーマットと初期化は、どちらもデータが見られなくなってしまう点に関しては同じですが、厳密には違う意味を持ちます。
フォーマットは、使用するパソコンのOSやファイル形式に合わせて初期化・再構築を行うことです。HDDやUSBメモリなどの記録媒体では、データを目次のように管理しています。フォーマットすると目次が削除され、データにアクセスできない状況になります。
一方、初期化は保存されている情報をすべて削除し、工場出荷時の状態に戻すことです。
フォーマットによるデータ紛失の原因4選
フォーマットによるデータ紛失は、意図せずに行われてしまうケースが多いです。具体的には以下4つの原因が考えられます。
- 違うディスクをフォーマットしてしまった
- 間違ってフォーマットをしてしまった
- フォーマットをしたがバックアップが取れていなかった
- ウイルスなどにより強制的にフォーマットされた
違うディスクをフォーマットしてしまった
フォーマットをしようと思っていたものとは別のディスクをフォーマットしてしまうことは、誰にでもあり得るケースです。たとえば、USBメモリをフォーマットしようとしていたのに、HDDを選択していた、という事例があります。フォーマットする際は「どのディスクを削除しようとしているか」を慎重に確認することが大切です。
間違ってフォーマットしてしまった
HDDの容量がいっぱいになっていると「フォーマットしますか?」と表示されることがあります。フォーマットの機能がよくわからないまま「はい」を選択してしまうことも考えられます。アラートが出た際には安易に実行しないように注意しましょう。
フォーマットをしたがバックアップが取れていなかった
バックアップをとってフォーマットしたつもりが、うまくバックアップが取れておらず、大切なデータが消えてしまうこともあります。また、バックアップデータを保存している記録媒体が読み取れなくなり、結果的にデータにアクセスできないといった事例も考えられるでしょう。
ウイルスなどにより強制的にフォーマットされた
パソコンがウイルスに感染していると、強制的にフォーマットされることがあります。いつもは表示されないアラートなどが画面に表示されたり、逆にいつも表示されるメッセージが出てこなかったりした場合、ウイルス感染が疑われます。
HDDのフォーマット後にデータを復元する方法
フォーマットにより必要なデータが紛失してしまった際はデータの復元が必要です。データを復元する方法には、データ復元ソフトを使用する方法と、データ復元業者に依頼する方法があります。
データ復元ソフトを使用する
HDDのフォーマットは論理障害に当たるので、データ復旧ソフトを使った復元が可能です。データ復旧ソフトは論理障害のみに利用できるソフトウェアとなっていて、最近では気軽にインストールできるフリーソフトも数多く開発されています。
データ復旧ソフトによって対応しているメディアが異なりますが、ほとんどの場合はHDDに対応しています。しかし、操作性は使用するソフトによって異なるので、事前に正しい使い方を確認しておきましょう。
また、場合によってはデータ復旧ソフトを使っても復元できないことがあると言われています。この場合に考えられるのは使用方法が間違っている、またはHDDそのものに物理的な障害が発生していることが考えられます。
このような状態になってしまった場合、データ復旧会社へ相談することをおすすめします。復旧作業を行うとHDDに負荷がかかってしまうため、復元に失敗したからと言って繰り返し行うと機器が故障してしまう可能性があります。
状態が悪化したHDDからのデータ復旧はプロのデータ復旧会社でも難しいと言われているので、自分でデータ復旧を行う方は十分に注意して作業を行いましょう。
データ復元業者に依頼する
データ復旧ソフトなら手軽にインストールできますし、1つ持っておけばいつでも復旧作業を行えるといったメリットがあります。しかし、100%データ復旧に成功するという保証はなく、場合によっては復旧作業が原因で状態が悪化する可能性があります。
また、いざ自分でデータ復旧を行ったとしても、「使い方がイマイチ分からない…」
という方も少なくないようです。このように自分では思うようにデータ復旧が行えないという場合には、プロのデータ復旧会社に相談してみましょう。
データ復旧会社では、あらゆる障害やデータトラブルが発生した機器などから高確率でデータを復元することが可能です。専門的な知識と高度な復旧技術を持っていますし、作業に必要なクリーンルームが完備されているので、安全なデータ復旧を行ってくれます。
また、セキュリティ対策も万全なので機密情報や社外秘のデータなど、情報漏洩が気になる方でも安心して依頼することができます。ほとんどのデータ復旧会社は初期診断や見積もりの提示を無料で行っているので、依頼が初めての方でも気軽に相談することができるでしょう。
フォーマットしたHDDのデータを復元する際の注意点
フォーマットしたHDDのデータを問題なく復元するには、機器の使用をすぐやめて、触らないことが重要です。具体的には、以下の4点に注意しましょう。
- 機器の使用をすぐにやめる
- 電源のオン・オフを繰り返さない
- フォーマットしたHDDに新しいデータを保存しない
- 再フォーマットは絶対にしない
機器の使用をすぐにやめる
誤ってフォーマットしてしまった場合、まずはデータを上書きなどをしないためにも、使用をすぐにやめましょう。
フォーマットした記録媒体を使用し続けると、そのたびにデータの上書きが発生し、存在していたはずのデータがなくなってしまう恐れがあります。その場合、データの復元が難しくなったり、できなくなってしまったりする可能性が高まります。
電源のオン・オフを繰り返さない
電源のオン・オフを繰り返したり、再起動したりすると、HDDの状態が悪化する恐れがあります。データが消えて焦る気持ちがあるかもしれませんが、確実にデータを復元するには触らないことが大切です。外付けHDDの場合は、すぐにパソコンからHDDを取り外して、ケーブルを抜き、電源を入れないようにしましょう。
フォーマットしたHDDに新しいデータを保存しない
フォーマットしたHDDを使い続けてはいけないのと同じで、新しいデータを保存することも避けましょう。新しいデータを保存することでデータの上書きが続いてしまい、復元できるはずだった元々のデータを取り出せなくなります。
再フォーマットは絶対にしない
フォーマットしたあとに再度フォーマットすると、データの上書きが進みます。操作を続けてしまうことと同様に、データ復元の難易度が上がり、取り出し自体が難しくなってしまいます。データを確実に復元するためにも、パソコンの電源を切り、触らないように注意しましょう。
フォーマットしたデータを復元する業者の選び方
フォーマットしたデータをいち早く復元したい場合や、確実に復元したい場合は、専門知識をもつデータ復元会社に相談することがおすすめです。ここでは、依頼する業者を選ぶときに重視するポイントを紹介します。
データ復元作業の実績が豊富にある
データ復元作業の実績が公開されており、実績が豊富な業者であれば、データ復元作業を依頼する際も安心です。ほとんどのデータ復元業者はHDDに対応していますが、依頼前にHDDの復元実績も確認しておきましょう。
セキュリティ管理を徹底している
大事なデータを扱ううえで、情報の守秘義務やセキュリティ管理が徹底しているかどうかも重要なポイントです。特に、外部に知られてはいけないデータを復元しなければいけない場合は、情報漏洩の心配がないか念入りに確認しましょう。セキュリティ管理を確認する方法として、Pマーク(プライバシーポリシーマーク)の取得有無を確認するのもポイントの一つです。
料金プランが明確に記載されている
データ復元は障害の程度によりかかる費用や時間が変わります。明確な料金プランがホームページなどに記載されていなければ、想像よりも高額になってしまうかもしれません。
また、ほとんどのデータ復元会社では初期診断や見積もりの提示を無料で行っています。まずは見積もりをとると、比較しやすくなるでしょう。
復元にかかる時間が短い
急ぎでデータを復元させたい場合は、多少金額が高くても作業スピードが早い業者を選ぶのがよいでしょう。なかには、メディアが到着してから最短で6時間以内に調査・結果の報告をもらえる業者もあります。
業者に迷った時はDRAJ加盟企業がおすすめ
データ復旧会社はネット上で調べるとたくさん検索することができますが、すべての会社が信頼できるとは限りません。また、ほとんどのデータ復旧会社はHDDに対応していますが、復旧技術はそれぞれで異なります。
しかし、DRAJ加盟企業であれば安心して依頼することが可能ですし、高度な復旧技術を持っているので復旧成功率が高いと言われています。ここでは、そんなDRAJ加盟企業についてまとめてみました。
業界の健全化に向けた活動を行う企業団体
この記事を読んでいる方の中には、「そもそもDRAJを知らない」という方は多いのではないでしょうか?DRAJとは、業界の健全化に向けた活動を行っている企業団体です。複数のデータ復旧会社が加盟しており、具体的には安全なデータ復旧サービスの提供と悪徳業者の撲滅を目的とした活動を行っています。
企業や行政も利用している
DRAJ加盟企業は確かなデータ復旧技術を持っており、万全のセキュリティにて依頼者から預かっているデータを管理・保管しています。さまざまな企業や機密情報を取り扱う行政なども利用しているので、信頼性は保証されていると言っても過言ではないでしょう。
特に、仕事で使用するパソコンや外付けHDDには外部に漏れてはいけないデータが保存されていることもあります。そのようなデータが保存された機器を他人に預けるのは非常に不安ではありますが、DRAJ加盟企業なら情報漏洩の心配がないので安心して相談・依頼することが可能です。
DRAJ加盟企業について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
フォーマットしたHDDからデータを復元するには、データ復元ソフトを使用する方法とデータ復元会社に依頼する方法があります。どちらの方法であっても、データを復元するためには、フォーマットした機器はすぐに使用をやめて通電しないことが重要です。
できるだけ早く復元したい場合や、確実なデータ復元を求めるのであれば、データ復元会社に相談してみましょう。
当サイトでおすすめのデータ復旧業者1位として紹介している「アドバンスデザイン」もDRAJ加盟企業の一つなので、気になる方はチェックしてみてください。