約10年で急速に普及しているといわれている記憶装置「NAS」。大容量のデータ保存が可能である他、耐障害性に優れていることや複数人とのデータ共有が用意であることから、個人での利用だけでなく導入を進める企業も増加傾向にあると言われています。
しかし、記憶装置は永遠に利用できるものではないので、機器の故障によってデータにアクセスできなくなるといったトラブルが将来的に発生する恐れがあります。また、データ共有を行っていると人為的ミスによるデータ消失といったトラブルも避けられないもの。
そのため、重要なデータを守るためにもデータのバックアップを行っておくことが大切です。そこで、この記事ではNAS内に保存されたデータのバックアップをとる方法についてご紹介していきます。
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NASデータのバックアップを取る必要性とは?
NASをはじめとする記憶装置を利用する場合、定期的なデータのバックアップを取ることが推奨されています。というのも、機器には生き物と同様に寿命が存在していますし、何らかが原因で突然トラブルが発生することもあります。
しかし、データのバックアップを定期的にとっているという方は少ない傾向にあり、トラブルが発生して困ってしまう方は多いと言われています。そこで、ここではNAS内のデータのバックアップを取る必要性についてまとめてみました。
データ消失のリスクがある
NASをはじめとする記憶装置には寿命があり、寿命が近づくにつれて不具合が発生し、寿命を迎えると機器が故障してしまい使用できなくなります。つまり、機械だからと言って永遠に利用できるものではないのです。
不具合が発生すると一部のデータを開けない・消えているなどのトラブルが発生しますし、故障してしまうとパソコンであれば起動できなくなる、外付けタイプの記憶装置であれば電源が入らなくなってしまいます。
このように、記憶装置の利用にはデータ消失のリスクがつきものなので、重要なデータを安全に管理するためにもデータのバックアップは必要だとされています。場合によってはデータ復旧が困難になるので、確実にデータを保護するのであれば定期的なバックアップを行うことが大切です。
トラブル発生時の影響が大きい
必要なデータを開けない、または気づいたらデータが消えていたなど、このようなトラブルが発生すると作業に支障をきたす恐れがあります。
例えば、ビジネスでNASを利用している場合、データトラブルが発生することによって業務を中断しなければならなくなるといったケースもあります。
ビジネスにおいて作業停止は企業にとって大きな影響を与えることになるので、こうした事態を避けるためにもデータのバックアップは必須だといえるでしょう。業務停止は会社の利益を損なうことはもちろん、信用性にも関わるのでトラブル発生時に備えた対策として行っておきましょう。
データトラブルの原因は機器の故障に限らない
データのバックアップは機器の不具合や故障など、これらのトラブルが発生した際の対策として考えている方は多いのではないでしょうか?しかし、データトラブルの原因は機器の故障に限ったことではありません。
というのも、データトラブルの原因として最も多いとされているのは、人為的ミスによるデータ削除です。管理者自身が誤ってデータを削除してしまうケースもあれば、データを共有している場合は共有メンバーのミスによって知らぬ間にデータが消えていたなんてこともあります。
ちなみに、データを削除してしまった場合はごみ箱から簡単に復元することができます。しかし、複数人にデータを共有している場合、誰が削除してしまったのかを判明させるのが困難なので、バックアップを取っておくとでスムーズなデータ復旧が可能になるでしょう。
データのバックアップ先には何がある?
NASデータのバックアップの重要性について、これまでの内容からお分かりいただけたと思います。そこで、次に気になるのは「データのバックアップ先には何があるのか?」といったことではないでしょうか?
バックアップ先には大きく分けて「外付けHDD」「NAS」「クラウドストレージ」の3つに分けられるようです。ここでは、これらのバックアップ先についてまとめてみたので、NASを利用されている方はぜひ参考にしてみてください。
大容量でも安価で購入できる「外付けHDD」
外付けHDDは利用中のNASと同様の容量を持つ製品でも安価で購入することができます。また、発生コストは購入費用のみなので導入しやすいことや、屋外への持ち込みが可能といったメリットがあります。
しかし、HDDは微細な部品で製造された記憶装置のため、外部からの衝撃に弱い記憶装置です。例えばですが、機器が倒れたことによって衝撃が加わる、火災・落雷などの自然災害の被害に遭うことで故障してしまいます。
他にも、外付けHDDは持ち運びに便利な反面、盗難被害に遭うリスクも無いとは言い切れないので、データの保存先としての安全性はやや劣るといったデメリットがあります。
耐障害性に優れた「NAS」
バックアップ先にNASを利用するのも1つの方法です。メインの機器が故障してもバックアップ先に同じデータが保存されているので、これまでと変わらずに使用できるといったメリットがあります。
さらに、NASは耐障害性に優れたRAID構成の記憶装置なので、外付けHDDに比べてトラブルの発生リスクを抑えることが可能だといえるでしょう。しかし、導入後には初期設定が必要になるため、専門的な知識が必要になります。
個人での利用であればあなた自身が、企業であれば自社に専門的知識を持つ社員が在籍していれば問題ありませんが、そうでない場合は外注にて初期設定を依頼しなければならない可能性があるでしょう。
故障の心配がない「クラウドストレージ」
クラウドストレージはインターネットを利用できる環境であれば、どこからでも保存データにアクセスできます。外付けHDDやNASのように機器内にデータを保存するのではなく、インターネット上にあるストレージで保存・管理が可能なので、故障によるトラブルが発生する心配がありません。
また、複数人とのデータ共有も可能なので、ビジネスで利用されている企業も少なくないといわれています。しかし、クラウドストレージを利用するのであれば、不正アクセスや情報漏洩のリスク軽減のために徹底したセキュリティ対策が必須となります。
他にも、利用するサービスによっては無料で利用できるものもありますが、一定の容量を超える場合には有料プランへの申し込みが必用になります。膨大なデータのバックアップ先として利用する場合は、月単位や年単位でコストが発生することを理解しておきましょう。
複数を組み合わせる方法もある
より安全性の高いデータのバックアップ方法として、複数のバックアップ先を組み合わせて使うのも1つの手ではあります。例えば、外付けHDDとクラウドストレージにデータのバックアップを取っておくなど、バックアップ先を2ヶ所に設けておくことでより安全なデータ管理が可能になります。
データ復旧が必用な場合はDRAJ加盟企業に相談
皆さんはデータ復旧協会DRAJを知っていますか?業界の健全化と悪徳業者撲滅に向けた活動を行っている企業団体です。高度な復旧技術を持っていますし高い復旧成功率も期待できるので、バックアップを忘れた状態でデータトラブルが発生した場合は、一度相談してみるとよいでしょう。
また、万全のセキュリティ対策も行っているので、重要なデータの復旧依頼も安心して行えます。実際に、個人だけでなく企業も利用しているほど信頼性の高いデータ復旧会社なので、もしもの場合にはデータ復旧を依頼してみてください。
NASのデータをバックアップする方法はさまざま
NASは耐障害性に優れており、膨大なデータの保存・管理に適している記憶装置です。そのため、個人での利用だけでなく、企業で導入しているところも少なくありません。しかし、NASは永遠に利用できる機器ではなく、突然不具合を起こすこともあれば故障することもあるので、データトラブルのリスクを考えてデータのバックアップを取っておくことが大切です。
バックアップの方法にはいくつかありますが、それぞれでメリット・デメリットがありますし、複数を組み合わせる方法もあります。また、選ぶバックアップ先によってはコストがかかるものもあるので、目的に合った方法を試してみてはいかがでしょうか?