SSDから「カリカリ」や「ジジジ」といった異音がした場合、「PCが故障してしまったのでは？」と不安になる方は多いでしょう。PCから異音が聞こえても必ずしも故障しているわけではなく、問題ない正常な音の可能性もあるため原因を確認することが大切です。
この記事では、SSDから異音がした場合やPCから異音がする原因・対処法、異音以外でSSDによくあるトラブルについて詳しく解説します。SSDから異音がして故障かどうか気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそもSSDとは？
SSDとはSolid State Drive（ソリッド・ステート・ドライブ）の略で、HDDと同じくデータの記録装置です。かつてSSDは容量あたりの単価がHDDよりも高価だったため、使用される場面は限られていましたが、近年では容量単価が下がり大容量化も進んできたことから多くのパソコンに使用されています。また、SSDは小さくて軽いというメリットを活かして、外付けSSDとしても急速に普及しています。
SSDのデータ復旧はHDDの復旧より難しい？
SSDのデータ復旧は、HDDの復旧より難しいといわれています。ここではその理由を詳しく解説します。
SSDとHDDの仕組みの違い
HDDは「プラッタ」と呼ばれるレコードのような円盤部分に、磁気ヘッドと呼ばれる部品でデータを記録しています。大容量のデータ保存に優れたHDDですが、プラッタなどの部品が稼働する仕組みのため、壊れやすいというデメリットがあります。
一方、SSDは稼働する部品がなく内蔵しているメモリチップに電気信号でデータの読み書きを行う仕組みのため、処理速度が速くて振動や衝撃にも強いというメリットがあります。
SSDのデータ復旧難易度は高い
SSDとHDDではデータの保存方法にも違いがあります。HDDの場合、データを消去しても保存領域にあるデータは残ったままで、新しくデータが上書きされたときに初めて消去されます。一方、SSDの場合は、データの読み書きを行う際に今までのデータが消去されるという特徴があります。
このようにSSDは一度データを消去したあとでデータを上書きするため、一般的にSSDのデータ復旧はHDDより難しい傾向にあるのです。
SSDから「カリカリ」「ジジジ」「ジー」と異音がしても故障ではないケースが多い
HDDは部品が稼働する仕組みのため、落下させるなどで衝撃を与えてしまうと、内部の部品が壊れて異音が発生する場合があります。しかし、SSDは電子的な操作のみで読み書きを行うので、HDDのように故障が原因で異音が発生することはありません。そのため、SSDから「カリカリ」「ジジジ」「ジー」といった異音がしても、故障ではないケースが多いです。また、SSDではなくCPUファンなどから異音が聞こえるケースもあります。
そのほか、「キーン」という甲高い電子音がする場合は、コイル鳴きと呼ばれる現象でPC内部の電磁石コイルから電流が流れる際に発するノイズ音になります。PCが正常に動作している証拠のため、大きな音でなければ問題ないケースがほとんどです。このように異音が発生する原因はさまざまあるため、音の原因を見極めることが大切です。
PCから「カリカリ」「ジジジ」「ジー」といった異音がする主な原因
PCから「カリカリ」「ジジジ」「ジー」といった異音がする場合、主に2つの原因が考えられます。
HDDが故障している
HDDの場合、データの読み書きを行う際に発生するシーク音が鳴ることがあります。基本的には正常な音ですが、急に大きな音がしたり、変な音がしたりする場合は故障が疑われます。音が気になる、または音が大きいときは、HDDのエラーチェックを行うのもおすすめです。エラーチェックを行う際は、万が一に備えてデータのバックアップをとっておきましょう。
＜HDDのエラーチェックを行う方法（Windowsの場合）＞
- タスクバーにある「エクスプローラー」をクリックして、「PC」を選択
- エラーをチェックしたいドライブを右クリックして、「プロパティ」を選択
- 「ツール」タブをクリックし、「エラーチェック」の「チェック」ボタンをクリック
- 「このドライブをスキャンする必要はありません」と表示されたら（ドライブの状態によって、表示されるメッセージや項目は異なる）、下の「ドライブのスキャン」をクリック
- スキャン開始
- スキャンが完了すると、「お使いのドライブは正常にスキャンされました」と表示される。「閉じる」をクリックして終了
もしエラーが検出され、「ドライブの修復」を行っても音が改善しない場合は故障の可能性があるため、専門業者に相談しましょう。
BIOSのC-Statesオプションの影響
HDDではなく、SSDを使用しているのに「カリカリ」「ジジジ」などの異音がする場合、低電力モードであるBIOSの「C-States」オプションが影響しているかもしれません。例えばDELLのノートPCの場合はC-Statesオプションが有効になっていると、CPUの稼働が少ないときは電力を節約するために低電力モードになり、異音が発生するケースがあります。
また、ほかの機器ではOSの電源設定を「省エネモード」に変更すると、音が小さくなるケースもあります。
＜電源設定を省エネモードにする手順（Windows11の場合）＞
- 「スタートボタン」をクリックし、画面右上にある「すべてのアプリ」をクリック
- 「すべてのアプリ」表示後、「W」欄の「Windowsツール」を選択
- 「コントロールパネル」をクリックし、「ハードウェアとサウンド」を選択
- 「電源オプション」をクリックし、「電源プランの選択またはカスタマイズ」から「プラン設定の変更」をクリック
- 「プラン設定の編集」の省エネモード有効時に適用したい動作時間をクリックして指定
- 「変更の保存」をクリック
異音以外でSSDによくあるトラブル
ここからは、異音以外の原因でSSDによく起こるトラブルを4つ紹介します。
PCがSSDを認識しなくなる
PCがSSDを認識しなくなるケースも、SSDによくあるトラブルの1つです。原因として、PCの故障やファイルシステム・保存データの破損などが考えられます。また、電源ケーブルの断線・電力供給不足が原因で発生している可能性もあるため、電源ケーブルの接続状況を確認することも大切です。
フォーマットを要求される
SSDをPCに接続した際に、「フォーマットする必要があります」とエラーメッセージが表示されるトラブルもあります。ファイルシステムの破損、またはSSDが物理的に破損しているなどの原因が挙げられます。フォーマットを実行してしまうと、SSDに保存していたデータは全て消えてしまうため、フォーマットは行わないようにしましょう。
修復プログラムを使用したらデータが消えた
修復プログラムとはWindowsに搭載されているツールの1つで、エラーをチェックして修復する機能です。「チェックディスク」とも呼ばれています。
よくあるトラブルとして、「修復する必要があります」とエラーメッセージが表示されて修復プログラムを使用すると、SSDに保存したデータが書き換えられて消えてしまうケースがあります。万が一、修復プログラムを使用してデータが消えてしまった場合は、データ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧ソフトを使用して失敗した
市販のデータ復旧ソフトを使用して自力で復旧を試みたものの、失敗してしまうトラブルがあります。失敗した場合はそれ以上作業は行わず、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。
SSDのデータが見られなくなったらデータ復旧業者に相談しましょう
SSDのデータが見られなくなった場合、状況を悪化させないためには自力での対応は避け、プロのデータ復旧業者に依頼するのが賢明です。フォーマットや修復プログラムの実行、データ復旧ソフト使用した作業は安易に行わないようにしましょう。
まとめ
SSDは電子的な操作のみでデータの読み書きを行うため、「カリカリ」「ジジジ」「ジー」といった異音がしても、故障ではないケースが多いです。問題ない正常な音の可能性もあるため、音の原因を見極めることが大切です。SSDからデータが消えてしまうなどのトラブルが発生した場合は安易に自力で作業を行わず、SSDに対応可能な高い技術力を持つ信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
