今お使いのSSDやHDDを新しいものに買い替える、または古い機器を処分したり使わなくなった機器を譲渡・販売したりする場合、データの完全な削除が必要になります。きちんとデータを削除しなければさまざまなリスクが伴うので、手放す際には必ず必要な作業となっています。
しかし、このような作業が必要であることを知らない方もいれば、必要だとは知っていても方法がわからないという方は少なくないでしょう。そこで、この記事ではSSDやHDDのデータを完全に削除する方法についてご紹介していきます。
また、処分する際の完全なデータ削除が必要な理由や業者に依頼するのではなく自分でできる方法などもご紹介しています。これから不要になったSSDやHDDを処分される方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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完全なデータ削除が必要な理由とは?
不要になったSSDやHDDは処分する方もいれば知人に譲渡する、またはフリマアプリを使って販売する方は多いでしょう。そして、そのような場合には必ず記憶媒体から完全にデータを削除しなければならないのですが、その理由を皆さんは知っていますか?
ちなみに、「パソコン内のデータを消せば大丈夫!」と考えている方が多いようですが、単純な削除方法ではデータが残っていることを知らない方も多い傾向があります。そこで、ここでは完全なデータ削除が必要な理由とリスクについてまとめてみました。
通常削除では簡単にデータを復元される
データはSSDまたはHDDのいずれかに保存され、不要になったデータは削除してゴミ箱も空の状態にすることでパソコン内から消すことができます。しかし、実際には目に見えない状態になっただけで消したはずのデータは残っているのです。
この見えないデータはデータ復旧を行うことで簡単に復元することが可能となっており、データ復旧会社に依頼する、またはデータ復旧ソフトを使うことで消したデータをもと通りにすることができます。
つまり、ただ削除しただけでは知識があれば誰でも簡単に復元することができるため、重要なデータを保存している場合、このまま処分すると情報漏洩の危険があります。例えば、仕事で使うデータが保存されていたのであれば、会社の機密情報が第三者に盗まれる可能性も十分に考えられるため、処分する際には完全なデータ削除が必須とされています。
初期化を実行してもデータは残っている
SSDやHDDなどの記憶装置を「初期化」すると、これまで保存されていたデータを全て削除することができます。機器に不具合が起きた場合は簡単に全データを削除したい場合に使用される方法ですが、この方法も完全なデータ削除にはなりません。
上記のデータ削除方法と同じくデータ復旧を行うことで簡単に復元できてしまうので、「初期化=完全な削除」ではないことを理解しておくことが大切です。ですので、これからSSDやHDDを初期化して処分することを考えている方は、この記事で紹介している完全なデータ削除の方法を試してから処分してください。
個人情報の流出・悪用の危険性がある
パソコンを使ってネットショッピングをされる方は多いと思いますが、支払い方法にクレジットカード決済を利用されている方はいませんか?カード情報を登録するだけで簡単にお買い物ができるので、クレジットカードをお持ちの方はこの決済方法を利用していることでしょう。
そして、このようなカード情報はパソコン内に記録されているので、完全なデータ削除を行わずに処分してしまうと個人情報が流出してしまうことがあります。また、最悪の場合はその個人情報を悪用されてしまい、身に覚えのない多額の請求が送り付けられる危険性もあります。
また、何かしらのサービスを利用する場合、氏名・住所・電話番号を登録しなければならないケースが多々あります。そうした個人情報もデータとして記録されているので、個人の情報の流出や悪用されないためにも処分時には完全なデータ削除を行う必要があるのです。
SSD・HDDの完全なデータ削除は自分でもできる
これまでの内容から、SSDやHDDを処分する際には完全なデータ削除が必須であることがお分かりいただけたと思います。間違った方法で処分するとさまざまなリスクを伴う恐れがあるので、安心して処分するためにも正しい方法を知っておくことが大切です。
そこで、ここではSSD・HDDの完全なデータの削除方法についてまとめてみました。以下でご紹介する方法はいずれも自分でできるものとなっているので、ぜひ参考にして安全に記憶装置を処分してみてください。
Windows PCの完全なデータ削除方法
Windows10には標準機能としてデータを完全に削除することができる機能「cipherコマンド」が備わっています。この機能だけでSSD・HDDだけでなく、SDカードやUSBメモリーなどのデータ削除にも活用できます。
cipherコマンドは、既存のデータにダミーのデータを上書きする機能です。そのため、元々
のデータは削除され、ダミーデータが上書きされることで復元される心配がありません。使い方に関しては以下の通りとなっています。
- ①タスクバーの検索ボックスで「コマンドプロント」を検索
- ②コマンドプロントを開き「cipher /w:d:」を入力
- ③Enterキーを押して「C:\Users¥」が表示されれば完了
難しい操作をする必要がないので、初心者でも簡単に実行することができます。入力ミスが心配であれば手順②の入力文字はコピーしてペーストすれば安心です。
Mac PCの完全なデータ削除方法
MacパソコンにもWindowsパソコンと同じように、標準搭載された機能でデータの完全な削除が可能です。そんなMacパソコンの完全なデータ削除方法は以下の通りとなっています。
- ①サイドバーからSSDまたはHDDのいずれかを選択
- ②上部に表示された「削除」のボタンを選択
- ③「セキュリティオプション」の項目を選択
- ④「セキュリティレベル」の項目を選択
- ⑤「OK」のボタンを選択
Windowsに比べて手順は少し多いですが、手順通りに行えば簡単にデータを完全に削除することができます。お使いのパソコンがMacの方は、ぜひこちらの方法を使ってSSD・HDDの完全な削除を行ってみてください。
Linuxなら「Shredコマンド」で削除できる
一般的にはWindows、またはMacのいずれかのOSを利用されている方が多いですが、中には「Linux」を使用されている方も多いでしょう。Linuxにもデータを完全に削除できる標準コマンド「Shredコマンド」が備わっています。
この機能はcipherコマンドのようにダミーデータを上書きすることでデータの削除を行うことができます。利用者は少ない傾向がありますが、もしもLinuxのOSを利用されている方は標準コマンドを利用してデータ削除を行ってみてください。
データ削除専用のソフトを使う
SSDやHDDのデータを完全に削除する方法として一般的に紹介されているのは、データ削除専用のソフトを使う方法です。この専用ソフトには有料版と無料版があり、無意味なダミーデータを上書きすることで元々のデータを復元できなくすることができます。
インターネット上から簡単にインストールすることができますし、無料版であればコストもかからないので、OSごとに紹介した方法に不安を感じる方、または試してみたけどよくわからないという方は、一般的に利用されている専用ソフトを使ったデータの完全削除を試してみましょう。
専門業者に依頼すれはより安全に処分できる!
個人情報を含むさまざまなデータは、単純なデータ削除や初期化だけでは目に見えない状態でSSDまたはHDDに残っています。第三者にデータや情報の流出・悪用を防ぐためにも、処分する際にはご紹介した完全なデータ削除の方法を行う必要があります。
しかし、機密性の高いデータを保存していた場合、またはデータ削除を自分で行うことに不安を感じている方は、専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者であれば適切な方法で確実なデータ削除を行ってくれるので、情報漏洩や個人情報が流出する心配がありません。より安全に完全なデータ削除を求めている方は、専門業者にデータの削除依頼を行ってから処分してください。