ExcelやWordのファイルを上書き保存してしまい、復元できずに困っていませんか。上書きしたファイルはWindowsの「以前のバージョン」機能や、OSのバックアップ機能から復元できる可能性があります。上書き前のデータを取り戻すためにも、適切な復元方法を試してみましょう。
本記事では、上書きしてしまったファイルを復元する方法を詳しく解説します。ExcelやWordでの上書きを防ぐ方法も紹介するので、大切なファイルデータを失いたくない人はぜひ参考にしてみてください。
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上書きしてしまったファイルの復元方法
上書き保存してしまったファイルは、以下の方法でデータを復元できる可能性があります。
- 「以前のバージョン」機能を使う
- OSのバックアップ機能を利用する
- クラウドストレージの履歴機能を活用する
- データ復旧ソフトを使用する
- データ復旧業者に相談する
1つずつ詳しく解説します。
「以前のバージョン」機能を使う
上書き保存したファイルは、OSやソフトに搭載されているバージョン管理機能を使って、過去の状態に戻せる可能性があります。ただし、これらの機能は設定が有効になっていないと利用できないため、注意が必要です。
Word・Excelの場合
WordやExcelで以前のバージョン機能を使ってファイルを復元する方法は、以下のとおりです。
- 該当のWordやExcelファイルを開く
- メニューから「ファイル」を選択し「情報」をクリックする
- 「バージョン履歴」をクリックする
- 保存されている過去のバージョンが一覧で表示されたら、復元したいバージョンを選択して「復元」をクリックする
過去のバージョンが表示されない場合は復元するデータが残っていないため、OSのバックアップ機能を試してみましょう。
Adobeデータの場合
Acrobat(PDF)やPhotoshopなどのAdobeソフトには、クラッシュなどに備えてデータを一時的に保存する自動保存機能があります。この自動保存フォルダにバックアップが残っていれば、上書き前のデータを復元できる可能性があります。
Acrobatを使っているときは、以下の手順で自動保存フォルダにアクセスしてみましょう。
【Windowsの場合】
- キーボードの「Windowsキー」と「Rキー」を同時に押し「ファイル名を指定して実行」を開く
- 名前の入力欄に「%appdata%」と半角で入力し「OK」をクリックする
- Roamingというフォルダが開いたら「Adobe」→「Acrobat」を開く
- バージョン名のフォルダを開き、AutoSaveフォルダを開く
- フォルダの中に復元したいデータが残っていれば復元する
【Macの場合】
- Finderの画面上部のメニューバーから「移動」をクリックし「フォルダへ移動…」を選択する
- 利用しているソフトに応じたパス(~/Library/Application Support/Adobe/Acrobat/【バージョン】/AutoSave)を入力し「移動」をクリックする
OSのバックアップ機能を利用する
WindowsやMacといったOSには、バックアップ機能が搭載されています。
それぞれのバックアップ機能を利用する方法は、以下のとおりです。
Windows10・11の場合
Windows10や11の場合、OSのファイル履歴機能が有効であれば、上書き保存前のファイルを復元できる可能性があります。ファイル履歴は、指定したファイルのバックアップを自動作成し、過去のバージョンとして保存する仕組みです。
ファイル履歴からデータを復元する方法は、以下のとおりです。
- 画面下の検索窓に「ファイル履歴」と入力して「開く」をクリックする
- 「更新とセキュリティ」を開く
- 「バックアップ」をクリックし「その他のオプション」をクリックする
- 「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックする
- 復旧したいファイルを選択して復元する
ただし、事前にファイル履歴機能をオンにしていなければ復元できません。自身で復元できない場合は、データ復旧ソフトの利用を試すか、データ復旧業者に相談することを検討しましょう。
Macの場合
Macを使用している場合、OSに標準搭載されているTime Machineというバックアップ機能を利用して、ファイルを復元できる可能性があります。ただし、Time Machineもあらかじめバックアップ先に外付けHDDなどを設定していなければデータが保存されません。
Time Machineが有効になっている場合は、以下の手順で復元できます。
- 復元したいファイルが保存されているフォルダを開く
- メニューバーにあるTime Machineのアイコンをクリックし、「Time Machineに入る」を選択する
- 画面右側に表示される時間軸を操作して、上書き保存される前のデータを探す
- 復元したいバージョンを選択し「復元」をクリックする
クラウドストレージの履歴機能を活用する
OneDriveやGoogleDriveなどのクラウドストレージを利用している場合、サービスに搭載されている「バージョン履歴」機能でデータを復旧できる可能性があります。主にクラウドストレージ上で直接ファイルを編集・保存していた場合に有効です。
クラウドからデータを復元する方法は、以下のとおりです。
- ブラウザなどで利用しているクラウドにログインする
- 復元したいファイルを右クリックし「バージョン履歴」を選択する
- 過去のバージョン一覧から対象のバージョンを選び「復元」または「元に戻す」をクリックする
データ復旧ソフトを使用する
誤操作などによるデータ上書きの場合、データ復旧ソフトを使用してデータが復旧できる可能性があります。復元ファイルが少ない場合は、無料版で対応できる場合があります。
ただし、データ復旧ソフトは物理障害が起きていると使用できません。パソコンやHDDなどが故障しているときにデータ復旧ソフトを使用すると、症状がより悪化してしまう可能性があります。ソフトの使用に不安がある場合は、データ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧業者に相談する
上書きファイルを自身で修復できない場合は、データ復旧業者に相談するのがおすすめです。専門知識や設備をもつ専門業者に依頼すると、データを復元できる可能性があります。大切なデータを復旧したいときは、プロの技術をもつ専門業者に依頼しましょう。
信頼できるデータ復旧業者の選び方
上書きしたファイルを復旧したいときは、信頼できるデータ復旧業者を選ぶことが大切です。データ復旧業者に依頼する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 成果報酬型を採用している
- セキュリティ対策がしっかりしている
- データ復旧実績が十分にある
- ホームページに復旧費用が明記されている
- データ復旧協会(DRAJ)に加盟している
業者選びで迷った場合、データ復旧協会(DRAJ)に加盟している企業を選ぶと安心です。DRAJの加盟業者は成果報酬制の導入や強引な勧誘の禁止といった、利用者を守るための一定の基準を満たしています。そのため、高額なデータ復旧費用を請求されるなどのトラブルを避けやすくなります。
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ファイルの上書き保存を防ぐ方法

ファイルの上書きを防ぐために、あらかじめファイルを保護しておくのがおすすめです。ここでは、ファイルの上書き保存を防ぐための方法を紹介します。
ファイルを読み取り専用に設定する
ファイルを読み取り専用に設定することで、誤った上書き保存を防げます。特に原本として残しておきたいファイルには、読み取り専用の設定をしておくのがおすすめです。
WordやExcelのファイルを読み取り専用に設定する方法は、以下のとおりです。
- 対象のファイル(WordやExcel)の上で右クリックする
- 表示されたメニューから「プロパティ」をクリックする
- 「全般」タブの下部にある「属性」から「読み取り専用」にチェックを入れる
- 「OK」をクリックする
この設定を行うと、ファイルを開く際に「読み取り専用で開きますか?」と尋ねられるようになり、誤って上書きしてしまうミスを減らせます。
ファイルに書き込みパスワードを設定する
ファイルに書き込みパスワードを設定しておく方法も、上書き防止に有効です。この設定ではファイルの閲覧はできても、パスワードを入力しなければ上書き保存ができません。
Excelの書き込みパスワードの設定方法は、以下のとおりです。
- 保護したいExcelファイルを開き「ファイル」タブをクリックする
- 「名前を付けて保存」を選択する
- 「参照」を開き「名前を付けて保存」ウィンドウの保存ボタンの左隣にある「ツール」をクリックする
- 表示されたメニューから「全般オプション」を選択する
- 「書き込みパスワード」の欄にパスワードを入力し「OK」をクリックする
- 確認のためにもう1度パスワードを入力し、「OK」をクリックしてファイルを保存する
パスワードがわからなくなると編集できなくなるので、忘れないように管理しておきましょう。
上書きしたファイルを復元するときのよくある質問
最後に、上書きしたファイルを復元するときのよくある質問に回答します。
ファイルが上書き保存される原因とは?
ファイルが上書き保存されてしまう原因は、以下のようなものが考えられます。
- 手動で誤って保存してしまった
- 自動保存機能で意図せず上書きされた
- クラウドの同期によって新しいファイルに更新された
- ストレージの障害によって誤って上書きされた
自身の誤操作だけでなく、システムの自動更新などが原因で上書き保存がされる可能性もあります。そのような状況を避けるためにも、定期的にバックアップを取っておき、万が一の状況に備えておきましょう。
データ復旧業者に依頼した場合、費用はどのくらいかかる?
データ復旧業者に依頼した場合、一般的に「初期診断料」や「復旧費用」がかかります。
誤操作などによる復旧費用は数万円程度で済む場合がありますが、重度の物理障害だと20万〜50万円といった高額な費用が必要となる可能性があります。
データ復旧費用は業者によって異なるので、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
データ復旧業者に依頼するとファイルの中身を見られる?
基本的にはデータ復旧作業に直接関わるファイル以外の中身をじっくり見られることはありません。
復旧作業の過程でデータが復旧できているかを確認するために、中身を確認することはありますが、ファイルの内容を熟読するわけではありません。不安な場合は、ISO認証を取得しているなど、セキュリティ対策をしている復旧業者を選ぶのがおすすめです。
まとめ
ExcelやWordのファイルを誤って上書き保存してしまった場合、以前のバージョン機能や、OSのバックアップ機能を使って復元できる可能性があります。
しかし、以前のバージョン機能などは設定が有効になっていなければファイルを復元できないことに注意が必要です。自分で対処するのが難しかったり、データ復旧ソフトで復旧できなかったりした場合は、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
専門知識や高度な設備をもつ業者であれば、上書きしてしまったデータでも取り戻せる可能性があります。大切なデータを失わないためにも、まずは専門業者に相談してみましょう




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