外付けHDDのデータ復旧費用を抑えるために、自分で復旧できないかと考える方もいるでしょう。外付けHDDのデータ復旧は、自分で行うことも可能です。ただし、専門知識がない状態で復旧手順を誤ると、症状を悪化させてしまうリスクが高まります。
そこで今回は、外付けHDDを自分で復旧する手順と、業者に依頼するメリットを解説します。外付けHDDのデータ復旧について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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自分で外付けHDDを復旧することはできる?
何らかの原因で外付けHDDが故障してしまった場合や、データが削除された場合は、HDDを復旧させる作業が必要です。自分で復旧することもできますが、専門知識がないと状態を悪化させてしまう可能性があるため、基本的にはおすすめできません。状態が悪化したことで、データを取り戻せなくなるケースもあるので、業者に依頼するほうが安心です。
どうしても自分でデータを復旧したい方は、こちらの記事を参考にしてください。
自分で外付けHDDを復旧する方法
自分で外付けHDDを復旧する際の一般的な手順は以下のとおりです。
- 外付けHDD対応のデータ復旧ソフトをインストールする
- 外付けHDDをパソコンに接続する
- データ復旧ソフトを起動する
- データ復旧ソフトのスキャン機能を使用する
- 復旧するファイルをクリックする
- 無事復旧できたかチェックする
データ復旧ソフトには、Windows用とMac用があり、さまざまな種類が存在します。なかには、有料ソフトや英語マニュアルのソフトもあるので、インストール前に確認しておきましょう。
データ復旧ソフトをインストールしたら、HDDとパソコンを接続できるケーブルを使用して、外付けHDDをパソコンに接続します。その後、データ復旧ソフトを起動し、スキャン機能を使用してデータを復旧します。
手順を間違えると復旧するはずのデータが消えてしまう恐れがあるので、手順に不安がある場合は自分で作業せずに、データ復旧業者に依頼することを検討しましょう。
自分で外付けHDDを復旧する際の注意点
自分で外付けHDDを復旧する方法を紹介しましたが、復旧作業にはリスクが伴います。ここでは、自分でHDDを復旧する際に押さえておきたい注意点を解説します。
HDD自体が破損している場合は復旧できない
データ復旧ソフトは、軽度のデータ障害にのみ対応しているため、HDD自体に物理的な破損や重度のデータ障害があると復旧することができません。無理に復旧作業を行うと、本来復旧できるはずのデータが失われてしまうので注意しましょう。
HDD自体の破損が疑われる場合や、不具合の原因がわからないときは、データ復旧業者に依頼するほうが安心です。
データ復旧率がプロに頼む場合よりも低い
データ復旧ソフトの復旧率は、プロに依頼するよりも低くなります。特に、データ復旧ソフトは音楽や動画など、大容量のデータ復旧が苦手であるため、容量の大きいデータを復旧するのであれば、データ復旧業者に頼むことがおすすめです。
データ復旧ソフトを使用して自分で作業する際は、HDD内の復旧したいデータに対応するソフトを選びましょう。
データ復旧業者にHDDの修理を依頼するメリット
データ復旧業者にHDDの修理を依頼すると、HDDの症状に合わせて修理してもらえるため、自分で復旧するよりもデータ復旧率が高いことが魅力です。また、成果報酬型の企業に依頼すれば、復旧できなかったときは費用がかからないので安心です。これらのメリットを詳しく見ていきましょう。
HDD自体が破損している場合も対応できる
データ復旧業者では、万が一HDD自体に破損があったとしても、データを復旧できるケースがあります。HDDの状態を診断したうえで、症状に適した対応をしてもらえるので、自分で作業するよりも安心です。
データの復旧率が高い
データ復旧業者は専門知識を持ったプロなので、復旧ソフトを使用するよりもデータの復旧率が高くなります。データ復旧業者では、重度の破損ファイルや大容量のデータなど、データ復旧ソフトで復元できない場合も対応してもらえるケースも多いです。
成果報酬型の企業に依頼すればリスクがほとんどない
データ復旧業者に依頼すれば必ずしもデータを復旧できるわけではなく、HDDの状態によってはデータを復旧できないケースがあります。データ復旧業者のなかには、復旧できた場合にのみ費用が発生する「成果報酬型」を採用している業者がいます。そういった業者に依頼すると、万が一データ復旧できなくても費用が発生しないので安心です。
データ復旧業者にHDDの修理を依頼する場合の費用相場
外付けHDDの修理をデータ復旧業者に依頼する際にかかる費用は、障害の種類や程度によって異なります。HDDの故障は、プログラムの不具合などで起こる論理障害と、何らかの衝撃などで起こる物理障害に大別され、障害の程度によって重度と軽度にも分類できます。それぞれの分類ごとの費用相場を見てみましょう。
障害の種類 | 費用相場 |
軽度論理障害 | 1〜6万円 |
重度論理障害 | 5〜25万円 |
軽度物理障害 | 4〜9万円 |
重度物理障害 | 9〜70万円 |
軽度論理障害の費用相場
データを誤って削除した場合や、ウイルス感染による被害は軽度論理障害にあたります。修理費用の相場は1〜6万円で、ほかの症状と比較すると、修理費用は安く済みます。
重度論理障害の費用相場
フォーマットの失敗やファイルシステムの不具合、HDDが頻繁に初期化してしまう症状は重度論理障害にあたります。このような障害は復旧させることが難しいため、費用相場5〜25万円と軽度論理障害より大幅に高くなります。
軽度物理障害の費用相場
HDDの読み込みエラーなどは軽度物理障害にあたり、費用相場は4〜9万円です。HDD内部の開封やパーツ交換を必要としないケースが多いため、10万円未満で修理できるのが一般的です。
重度物理障害の費用相場
HDD本体から異音がするなど、明らかな損傷が見られる症状は重度物理障害にあたります。重度物理障害ではHDD本体の開封や、部品交換などが必要になるため、費用相場は9〜70万円と高額になります。
外付けHDDが認識しない時にやってはいけない行動
外付けHDDが認識しないときには、使用をやめて、できる限りHDDへの通電を止めることが大切です。特に以下の行動は症状を悪化させる恐れがあるため、やらないように気をつけましょう。
- 電源のオン・オフを繰り返す
- 電源を入れた状態で放置する
- フォーマットを行う
- 自分で分解する
電源のオン・オフを繰り返す
HDDが認識しないときに、電源のオン・オフや再起動を繰り返してしまうと、症状が悪化してデータを取り戻せなくなる可能性があります。症状が悪化すると、データ復旧業者でも対応できなくなる恐れがあるので注意が必要です。
不具合が起きたときは、HDDに負担をかけないように電源を切り、なるべく触らないようにしましょう。
電源を入れた状態で放置する
物理的な障害があるHDDは、通電により壊れた部品を無理やり稼働させてしまい、HDDに大きな負荷がかかります。パソコンに接続しているだけでも、誤作動が起きたりデータが上書きされたりする恐れがあるため注意が必要です。
外付けHDDが認識しないときは、パソコンから取り外し、HDDの電源を切りましょう。
フォーマットを行う
フォーマットとは初期化と似たような機能であり、フォーマットすることでHDD内のデータが削除されます。HDDが認識しない原因によってはフォーマットすると改善することもありますが、大切なデータが削除されてしまうため、安易に実行しないようにしましょう。
自分で分解する
HDDは、ホコリなどが少し付着しただけでもダメージを受けるため、分解するにはクリーンルームなどの専用環境が必要です。専用環境以外での分解は、HDDの状態を悪化させるリスクが高まります。安易に分解すると、メーカー保証が受けられなくなってしまうため、自分で分解することは避けましょう。
外付けHDDの故障を防ぐために日常的にできること
外付けHDDの故障を防ぐためには、物理的な衝撃を与えないようにするなど、日頃の扱い方に気をつけることが大切です。ここでは、HDDの故障を防ぐために日常的にできることを紹介します。
HDDの接続中にケーブルを抜かない
HDDの接続中に物理的にケーブルを抜くと、故障のリスクが高まります。ケーブルを抜くときは、必ずパソコンの画面上で「取り外し処理」をしてから抜くようにしましょう。
物理的な衝撃を与えない
HDDには、データを読み込む「プラッタ」という精密部品があり、わずかな損傷があってもデータが読み込めなくなってしまいます。これを不良セクタと呼びます。不良セクタを起こさないためには、ぶつかって落ちてしまうようなところに置かずに、安全な場所に保管することが大切です。
なるべく涼しい場所で使用する
HDDは熱に弱いので、直射日光が当たる場所や、狭くて熱がこもる場所では使わないほうが安心です。寒暖差による結露なども、故障の原因となるので、なるべく一定の温度の場所で使用しましょう。また、HDDの周りに物を置くと放熱を妨げる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
外付けHDDに不具合があるときは、まずはパソコンから取り外して通電を止めましょう。自分で復旧することもできますが、リスクが伴うので慎重に検討することが大切です。大切なデータを確実に取り戻すためにも、少しでも不安があれば、早い段階で業者に依頼することを検討しましょう。