パソコンのHDDやスマートフォン、USBメモリなどの記録媒体のデータが消えてしまいデータ復旧業者に依頼することを検討している人もいるかと思います。しかし、中には悪質なデータ復旧業者も存在しているため、そういった業者に当たってしまわないか心配というケースも多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、悪質なデータ復旧業者を見抜くポイントについて詳しく解説していきます。よくあるデータ復旧のトラブルや優良業者の選び方、おすすめのデータ復旧業者についても触れているので、データ復旧業者選びに失敗したくない方はぜひ参考にしてみてください。
データ復旧をどこに頼んだらいいの?そんなお悩みにお答えします
「データが消えてしまって、どうすれ良いかわからない」、「データ復旧を業者に依頼したいけど、相場がわからない」、
そんなお悩みの方へ、データ復旧比較ガイドは本当に信頼できるデータ復旧会社を徹底比較いたしました。
データ復旧会社の選び方から、復旧会社のランキングをまとめていますので、ぜひご参考にしてみてください。
悪質なデータ復旧業者に依頼した際の代表的なトラブル8選!
まずは悪質なデータ復旧業者に依頼をしてしまった際に起こる代表的なトラブルをいくつか紹介していきます。
作業後に見積もり時よりも高額な費用を請求された
悪質なデータ復旧業者に依頼をしてしまうと費用面に関するトラブルに巻き込まれる可能性が非常に高いです。特に、見積もり時は安めの金額で契約したのに、データ復旧作業後に色々な理由をつけて追加費用を請求してくるといったケースがあります。
復旧に失敗したが作業費を請求された
技術力のない業者に依頼をしてしまうと復旧作業に失敗してしまうことがあります。作業に失敗してしまった場合には費用が発生しないという業者も多いですが、中には成功・失敗に関わらず費用を請求してくる業者もいるので注意が必要です。
優良な業者の場合は費用が発生するとしても「作業に失敗した場合でも一部費用をいただきます」と事前に教えてくれますが、悪質な業者の場合は費用については一切触れず、見積もりの際にこちらから聞いても誤魔化してくる可能性があります。
高額な調査費用を請求された
HDDなどのデータ復旧は、作業前にどういった症状が発生しているのかを調査する必要があります。事前調査を無料、もしくは少額な費用で行なってくれる業者もありますが、中には調査だけで高額な費用を請求してくる業者も存在しています。
事前調査で高額な費用が発生してしまうと、払ったお金を無駄にしないためにそのまま復旧作業も依頼するという流れになるかもしれませんが、その結果さらに高額な復旧費用が発生してしまったり復旧に失敗してしまうといった2次トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
復旧に失敗してHDDの症状が悪化した
基本的にHDDなどの記録媒体は、故障したとしても早い段階であればデータを取り戻せる可能性が高いです。しかし、通電や復旧・分解作業を行うほどにデータ復旧の成功確率は低くなっていく傾向にあります。
技術力の低い業者に依頼をすると、データを取り戻すことができないだけでなく、本来復旧できるはずだったデータが取り戻せなくなってしまうことがあるので、最初の段階で技術力の高い業者に依頼をすることが大切です。
HDD内のデータを勝手に見られた
データ復旧業者は、データ復旧が成功していることを確かめるために一部ファイルを開く場合を除いて、基本的にHDD内のデータをむやみに見ることはありません。しかし、悪質な業者に依頼をしてしまうとHDD内にある写真やファイルを勝手に見られてしまうことがあるでしょう。
HDD内の個人情報を抜き取られた
HDD内のデータを見るだけでなく、個人情報を盗み取るといった悪質なケースも存在しています。HDD内にプライベートな写真やクレジットカード情報などが入っている場合は、セキュリティに関する認証を保有している信頼できる業者に依頼をすることで、こういったトラブルに巻き込まれるリスクを減らすことができます。
HDDの返却を拒否された
HDDの返却時にも悪徳業者とのトラブルが発生する場合があります。契約をしないならHDDを返却しない、高額な費用を請求して支払いを断ればHDDを返却しないといったケースが挙げられます。
また、最悪の場合HDDを持ち逃げされてしまうといったケースもあります。
良い口コミを書くことを強要された
データ復旧作業が完了したのちに良い口コミを書くことを強要してくる業者も存在しています。特に、高額な報酬を求めてきて、良い口コミを書いてくれたら値引きをするという交渉をしてくることもあります。
この場合高額な費用を払うよりは口コミを書いた方が良いという判断をする人も多く、結果的に悪質業者なのに良い口コミが多いといった状況を生み出してしまうのです。
悪質なデータ復旧業者の特徴
ここからは悪質なデータ復旧業者に共通する特徴をいくつか紹介していきます。1つでも当てはまれば絶対に悪質な業者というわけではないですが、多くの項目が当てはまる場合は悪質業者の可能性が高いので、判断する際の参考にしてみてください。
必要以上に不安を煽ったり焦らせてくる
正式な契約をする前に、依頼者の不安な気持ちや知識があまりないことにつけ込んで「今すぐ復旧作業を行わないと取り返しのつかないことになる」「他の業者では絶対に直せない」と言った言葉で不安を煽ってくる業者は悪質な業者である可能性が高いです。
焦って正常な判断ができなくなってしまうかもしれませんが、その場で強引に契約を迫ってくるような場合は一旦持ち帰って冷静な状態で結論を出すようにしましょう。
担当者が頻繁に変わる
電話やメールなどで問い合わせをするたびに担当者が次々変わるような場合も悪徳業者の可能性があります。本来であれば一人の担当者がついてしっかりと話をしていくべきですが、担当者が毎回変わる場合はうまく連携が取れずに認識の齟齬が発生する可能性がありますし、わざとこちらから気軽に質問しにくいような環境にしている可能性もあるので注意が必要です。
急に大幅な値引きをしてくる
最初の見積もりで高めの金額を伝えてきて、こちらが悩んでいると最終的にその半分以下の金額を再提示してくるというのも悪質業者の手口の一つです。そもそも半額の割引が可能な時点で最初に提示された金額が相場と比べて高すぎるということになるので、こういった場合には契約を行わないようにしましょう。
根拠のないデータ復旧率を謳っている
ホームページなどでよく「データ復旧率◯%!」といったような表現を見かけることがあるかと思いますが、根拠が示されていない場合や極端に高すぎる復旧率を謳っている場合は注意が必要です。
データ復旧の成功には明確な定義がないため、その業者が壊れたHDDの中からたった一つでもデータを取り戻すことができれば成功と言っている場合、依頼者からしたらデータ全てを復旧できたわけではないので失敗と言えますが、データ復旧業者からすれば成功と言えるのです。
そのため、データ復旧率が極端に高い業者に依頼する際には、何をもって復旧というのかを明確にしておくようにしましょう。
担当者の態度がおかしい
担当者の態度が明らかにおかしい場合も悪質業者の可能性が高いです。優良業者であればお客様の親身になって対応をしてくれますが、悪質業者の場合は「契約が取れない、それほどお金にならない」と判断したら態度が豹変するケースが多いです。
また、最初から態度がおかしい場合もスムーズに依頼をすることが難しいので避けるようにしましょう。
口コミの評判が高すぎる
ホームページなどでの口コミの評判が極端に高すぎるのも悪質業者の可能性があります。もちろん優良業者で評判が良いというケースもありますが、同じような内容の口コミが多い場合や具体性のない口コミが多い場合は注意が必要です。
また、良い口コミを書くことを強要しているケースもあるので、口コミの評価の高さだけでなく、他の要素もしっかりとみた上で依頼するかどうかの判断をすることが大切です。
信頼できるデータ復旧会社の選び方
ここからは、信頼できるデータ復旧会社の選び方について詳しく解説していきます。
会社の所在地や情報が明確に分かっている
データ復旧業者を選ぶ際には、必ずその業者の会社の所在地や連絡先などの情報がホームページに明記されているかを確認するようにしましょう。悪質業者の場合は本社所在地の情報を載せずに何かトラブルが発生したらそのまま音信不通になってしまうといったケースもあります。
データ復旧を自社で行なっている
データ復旧業者の中には復旧作業を外部委託している業者も存在しています。こういった業者が必ずしも悪いというわけではありませんが、中間マージンが発生して費用が高くなってしまったり、復旧に時間がかかってしまうといったケースも考えられます。
全ての復旧作業を自社で行っている業者の場合、知識や経験・技術力が十分にあると判断できるので安心して依頼をすることができるでしょう。
また、中には基本的には自社で作業を行い、一部機器の復旧作業のみ提携している業者に委託しているといったケースもあります。この場合、委託先の業者が業界内で有名な業者であれば問題ないことが多いです。
成果報酬型の料金体系を採用している
成果報酬型とは、データ復旧に成功した場合のみ料金が発生し、失敗してしまった場合は料金が発生しないという仕組みのことを言います。成果報酬型を採用している業者に依頼をすれば、失敗した時のリスクをそれほど気にする必要がないので、安心して依頼をすることができるでしょう。
大手企業や官公庁のデータ復旧実績がある
大手企業や官公庁のデータ復旧実績がある業者は優良業者である可能性が高いのでおすすめです。特に、こういった実績のある業者はセキュリティ対策がしっかりしていることが多いので、情報漏洩などのリスクを減らすことができます。セキュリティ面が気になる場合は、合わせて「ISO 27001」の認証や「プライバシーマーク」の認定を受けているかも確認しておくことも大切です。
また、公的機関からの表彰実績があるとより安心できるでしょう。
クリーンルームを保有している
HDDの分解などを行う際には、クリーンルームでの作業が必須とされています。HDDは精密機器であり、分解時に指紋やホコリが少し着くだけでも故障したり症状が悪化してしまう可能性があります。
クリーンルームを自社で保有している業者は、片手間で作業を行うのではなく、しっかりとデータ復旧作業に力を入れていると判断することができます。
こちらの疑問点をしっかり解決してくれる
データ復旧を依頼してからの手順や費用相場、データ復旧時に中身を見られることはあるのかなど、データ復旧に関する疑問はたくさんあるのではないかと思います。こういった疑問点に親身になって回答してくれる業者は信頼できる業者である可能性が高いです。
知識が豊富で技術力が高い
ホームページなどで復旧実績などが多く記載されている場合は、知識や経験が豊富で技術力もある程度あると判断できるでしょう。また、NASやRAIDのデータ復旧や最新のiPhoneなどの復旧実績がある場合も技術力が高く復旧成功率が高いと言えます。
データ復旧費用が明記されている
データ復旧費用がホームページに明記されているかも優良業者かどうかを判断する重要なポイントになります。悪質業者であればホームページに復旧費用を明記せずに後から高い費用を請求してきたり、依頼前の事前調査で法外な費用を請求してくることがあります。
そのため、データ復旧の費用がホームページにきちんと載っている業者を選ぶようにしましょう。ただし、データ復旧料金は壊れた機器の症状などによって大きく変わってくるので、ホームページに載っている金額はあくまで目安だと思っておくようにしましょう。
複数業者に相見積もりを取る
優良業者を選ぶ際には、複数業者に相見積もりを取ることも大切です。1つの業者だけでは復旧費用が高いのか安いのか、復旧の流れや担当者の態度が適切かなどの判断をすることができません。そのため、必ず2つ以上の業者に見積もりを依頼して、比較した上で業者を選ぶようにしましょう。
迷った時はデータ復旧協会DRAJ加盟の企業がおすすめ
データ復旧業者は数多く存在しているため、実際どの業者に依頼をすればよいのか悩んでしまうことも多いでしょう。そういった場合はデータ復旧協会DRAJに加盟している業者を選ぶことをおすすめします。
「データ復旧協会DRAJ」は2009年に設立された企業団体で、データトラブルで困っている方が安心して利用できるサービスの提供に関する活動を行っています。その中でも常任理事企業を務める5つの企業は世界でもトップクラスの復旧技術を持ち、利用者が満足できる高品質なサービスの提供を行っています。
具体的には「成果報酬型を採用している」「根拠のない復旧率は謳わない」「強引な勧誘はしない」「児童ポルノの復旧依頼は受けない」といった項目が挙げられます。
データ復旧協会DRAJの加盟企業や特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
悪質業者とトラブルに発展した場合でも誹謗中傷はNG!
万が一、悪徳業者に依頼してしまい高額な費用を請求された場合やデータ復旧に失敗してしまった場合でも、悪意を持った誹謗中傷をSNSにアップしたり口コミとして投稿するのは絶対に避けるようにしましょう。騙されたことに対する怒りからついやってしまうこともあるかもしれませんが、誹謗中傷を行なってしまうと、元々は業者に落ち度がある場合でも逆にこちらが訴えられてしまうケースがあります。
もし悪質業者の対応内容に納得がいかない場合は、この後紹介する相談場所に連絡をするのがおすすめです。
データ復旧で悪質業者の被害にあった際の相談場所
最後にデータ復旧で悪質業者の被害にあってしまった際の相談場所をいくつか紹介していきます。明らかに法外な金額を請求された場合やHDDを持ち逃げされてしまった場合など困ったことがあった際には連絡してみることをおすすめします。
消費者生活センター・国民生活センター
消費者生活センターは地方自治体、国民生活センターは国が運営するサービスで、業者とのトラブルの相談や交渉のサポートなどを行なってくれます。それぞれ有資格者が適切なアドバイスをしてくれるため、自分では解決できそうにないトラブルが発生してしまった際には利用してみましょう。
警察(9110)
どうしても解決できないトラブルに巻き込まれた際には警察に頼るのも一つの方法です。ただし、「110」は命の危機など緊急性の高い状況で使用する番号なので、そこまで緊急性の高くない要件の場合は「9110」の番号を利用するようにしましょう。
法テラスなどの法的機関
法テラスは日本司法支援センターとも言い、法的トラブルを解決するために国が設立した総合案内所のようなものになります。トラブルが発生したときに訴訟や弁護士への依頼にかかる費用を無料もしくは安く済ませられるというメリットがあります。
メールや電話での相談もできるので全国どこにいても相談可能なのも嬉しいポイントです。
まとめ
データ復旧業者の中には悪質な業者も存在しており、そういった業者に依頼をしてしまうと「復旧に失敗したが作業費を請求された」「HDD内の個人情報を抜き取られた」といったトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。悪質な業者には「必要以上に不安を煽ったり焦らせたりしてくる」「急に大幅な値引きをしてくる」「担当者の態度がおかしい」といった特徴があるため、こういった業者には依頼をしないようにすることが大切です。
優良業者を探す際にはデータ復旧協会DRAJに加盟している業者から選ぶのがおすすめです。DRAJに加盟している業者は、データ復旧で困っている方が安心して利用できるサービスの提供に関する活動を行っているため、悪質業者にあたってしまうリスクを減らすことができます。
万が一、悪質業者に依頼をしてトラブルに巻き込まれてしまった場合には、SNSなどで誹謗中傷を投稿するのではなく、早めに消費者生活センターや警察に相談してみることをおすすめします。