RAIDが突然崩壊してしまい「RAIDが崩壊した原因は何だろう」「RAIDを復旧したい」と困っていませんか。本記事では、RAID崩壊が発生する原因と復旧方法、RAIDが崩壊した時にやってはいけないことなどを詳しく解説しています。もしRAIDが崩壊しても慌てず、本記事を参考に適切な処置を行いましょう。
データ復旧をどこに頼んだらいいの？そんなお悩みにお答えします
「データが消えてしまって、どうすれ良いかわからない」、「データ復旧を業者に依頼したいけど、相場がわからない」、
そんなお悩みの方へ、データ復旧比較ガイドは本当に信頼できるデータ復旧会社を徹底比較いたしました。
データ復旧会社の選び方から、復旧会社のランキングをまとめていますので、ぜひご参考にしてみてください。
そもそもRAIDとは？
RAID（レイド）とは、複数のHDD（ハードディスクドライブ）を一つのドライブとして認識させる技術のことです。RAIDを使えば、万が一HDDが壊れてしまっても、同じデータを保存している他のHDDが無事であればデータを守れます。RAIDは大切なデータを安全に保管しておくために欠かせない技術です。
主なRAIDの種類とそれぞれの特徴
RAIDは仕組みの違いによって、いくつかの種類に分けられます。ここでは代表的なRAIDの種類と特徴を紹介します。
RAID0（ストライピング）
RAID0（ストライピング）は、2台以上のHDD・SSDを組み合わせてデータの読み書きを行うRAIDのことです。2台同時に読み書きを行うため、保存にかかる時間が速いのが特徴です。しかしRAID0には、HDDが1台壊れると他のデータにもアクセスできなくなるデメリットがあります。
RAID1（ミラーリング）
RAID1（ミラーリング）は、同じデータを2台以上のHDD・SSDに書き込むRAIDです。複数のHDDにデータを保存できるため、HDDが1台壊れても別のHDDで読み書きができます。
RAID5
RAID5は、RAID0とRAID1のメリットを兼ね備えたRAIDです。読み書きのスピードが速く、HDDが1台壊れても「パリティ」と呼ばれるコードによってデータ復旧が可能です。ただし、2台以上のHDDが同時に故障した場合はRAIDが崩壊し、データを取り戻すのが難しくなります。
RAID6
RAID6は、RAID5のデータを二重に保存できるRAIDです。前述したように、RAID5では2台以上のドライブが同時に故障するとデータを取り戻すのが難しくなります。しかし、RAID6は同時に2台のドライブが故障しても、データが二重になっているのでデータの読み書きが可能です。
RAID10
同じデータを2台以上のHDDに書き込める「RAID1」を複数組み合わせて、同時に読み書きを行うRAIDです。RAID0とRAID1のメリットを兼ね備えつつ、片方のHDDが壊れても読み書きが可能です。
他にも種類はあるがほとんど使われていない
上記で紹介したRAID以外にも、RAID2やRAID3、RAID4などもありますが、実質的には使用されていません。現在使われているRAIDが優秀なため、それ以外のRAIDの出番がないというのが正直なところです。今後新たに登場するRAIDの機能によっては、今使われているRAIDが使われなくなることもあるかもしれません。
RAID崩壊とは？
RAID崩壊とは、複数のHDDが故障しデータにアクセスできない状態のことです。RAIDが崩壊すると、データの読み書きができない、保存していたデータが消える、共有フォルダにアクセスできないなどの異常が発生します。画面に「RAID崩壊モード」などのエラーメッセージが表示されたり、サーバのアクセスランプが赤く点滅したりするケースもあります。普段とは異なる症状やエラーが起こった時は、RAIDが崩壊している可能性があるため注意しましょう。
RAID崩壊が起こる主な原因
RAID崩壊が起こる原因は様々で、複数の要因が重なっているケースもあります。ここでは、RAID崩壊が起こる主な原因を紹介します。
HDDやSSDの寿命
HDDの寿命は約3〜4年、SSDの寿命は約5年です。使用期間が長いHDDやSSDは、経年劣化で故障しやすくなっています。HDDから「カチカチ」「ジー」といった異音がする場合は、データ破損が進行している可能性があるため注意が必要です。
互換性のないHDDを使用してしまった
RAIDには原則、同じ特性を持つHDDを使う必要があります。ところが互換性のないHDDを使ってしまうと、RAIDが崩壊し不具合が起こる可能性があります。データ消失のリスクもあるため、むやみにRAIDを再構築するのは控えましょう。
リビルドの失敗
リビルドとは、RAIDに障害が発生した時にデータを再構築する作業のことです。通常、HDDに異常があってもリビルドを行えばデータを復旧できます。しかし、リビルドが上手くいかなかったり、やり方を間違えたりすると、RAID崩壊を引き起こす可能性があります。
磁気ディスクの損傷
RAIDに使用されているHDDは繊細なため、ホコリやタバコの煙などの微粒子の影響を受けることがあります。微粒子が部品の内部に入り込んでしまうとディスクが傷つき、RAID崩壊の原因になります。HDD以外のパソコンやサーバーなどの周辺機器もホコリなどの微粒子に弱いため、こまめに掃除を行いましょう。
物理障害の発生
データを読み書きしている最中に物理障害が発生すると、RAID崩壊を引き起こすことがあります。停電や地震、落雷などの振動や衝撃が起こった際は注意が必要です。物理障害による損傷でRAIDサーバーが故障した場合は、データ復旧ソフトの使用や再起動でデータを復旧させるのは難しいため、データ復旧業者へ相談しましょう。
RAIDコントローラーの故障
RAIDコントローラーは、複数のHDD・SSDを管理している部分です。RAIDコントローラーの故障は、RAIDシステムの不具合や崩壊につながる恐れがあります。RAIDコントローラーの故障と同時に、RAIDの構成情報が破損している可能性もあるため、不具合を直そうと自力でコントローラーを交換するのは避けましょう。
ソフトウェア・ファームウェア障害
RAIDを管理しているソフトウェアやファームウェアに問題が起こると、アプリのクラッシュやシステム遅延が起こり、最悪の場合データが消失する可能性があります。ソフトウェア・ファームウェアは定期的にアップデートを行うなど、対策しておくことが大切です。
管理画面での操作ミス
管理画面上で誤った操作をしてしまうと、RAID崩壊を引き起こすことがあります。むやみにHDDを初期化したり、RAIDの種類を変更したりする行為は危険です。管理画面を操作する時は、慎重に操作するよう注意しましょう。
使用者によるデータの誤削除
HDDの確認中に意図せずデータ消してしまった、初期化してしまったというケースもあるかもしれません。この段階ではまだ復旧できる可能性があるため、焦って初期化を繰り返したり、データの上書きをしたりするのは避けましょう。
高温下での使用
HDDは高温に弱いため、室温が高い場所で使用し続けるのは危険です。サーバーの温度が40℃を超えると、HDDに異常が発生したり、操作速度が遅くなったりする可能性があります。長時間の連続使用は避け、なるべく空調が整っている環境で使用するよう心がけましょう。
RAID崩壊が発生した際のNG行動
RAID崩壊が発生した際は、誤った操作をするとデータを取り戻せなくなる可能性があります。NG行動に気を付けて、落ち着いて対処しましょう。
電源のON・OFFや再起動を繰り返す
電源のON・OFFや再起動を繰り返すと、HDDに負荷がかかります。データを失う恐れがあるため、一度試して効果がなかった場合は繰り返さないようにしましょう。また、通電状態のまま放置しておくと、破損や上書きが進行する可能性もあるため注意してください。
知識がない状態でリビルドを行う
リビルドとは、HDD内のデータを構成しなおす作業です。リビルドによってデータが復元する可能性はありますが、失敗すると状態が悪化してしまう可能性もあります。知識がないままにリビルドを行うと、データが消えたり初期化したりすることもあるため、無理にリビルドをするのは避けましょう。
HDDの順番を入れ替える
HDDを新しい物に交換することで、不具合が直ることもあります。しかし、交換時にHDDの順番を誤ると、データの規則性が乱れてデータが破損してしまいます。また、HDDの交換を行うと自動的にリビルドしてしまうので注意が必要です。
HDDを取り外し単体でPCなどに繋げる
HDD単体でPCなどの機器に繋げるのも危険です。単体で電源を入れると「フォーマット（初期化）しますか？」とメッセージが現れ、そのままフォーマットすると、その後データの読み取りができなくなってしまいます。
RAIDコントローラーカードを交換する
RAIDコントローラーに異常が発生している場合、RAIDカードを交換しようと試みることもあるかもしれません。しかし、もしRAIDコントローラーと互換性のないカードを使ってしまった場合、データの読み取りができなくなる可能性があります。むやみにRAIDカードを交換するのは避けましょう。
RAID崩壊が発生した場合の復旧方法
RAID崩壊が発生した時は、慎重に復旧を試みましょう。自分一人で復旧させるのは難しいと感じた時は、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。
データ復旧ソフトを使用する（非推奨）
RAID崩壊が発生した場合、データ復旧ソフトを使ってデータを復旧させる方法があります。データ復旧ソフトは安価で購入でき手軽に作業できますが、失敗すると症状が悪化するリスクもあります。大切なデータが入っている場合は、データ復旧ソフトの使用は避け、データ復旧業者に相談するとよいでしょう。
データ復旧業者に依頼する
RAID崩壊の原因は、必ずしも一つではありません。複数の要因が合わさっている場合、個人での原因特定は難しいでしょう。また、RAIDのデータ復旧には専門知識と高度な技術が必要なため、専門家に頼らず復旧させるのは危険です。大切なデータを失いたくない場合は、費用をかけて専門業者に依頼するのが確実です。
まとめ
RAID（レイド）とは、複数のHDDを一つのドライブとして認識させる技術のことです。しかし、何らかの不具合によってRAIDが崩壊することがあります。RAID崩壊が発生すると、データが取り出せなくなったり、データが消えたりする危険性があります。RAID崩壊が起こる主な原因としては、HDDの寿命、物理障害の発生、操作ミスなどが考えられますが、複数の要因が合わさって崩壊しているケースも多いです。RAID崩壊が発生した際は、電源のON・OFFや再起動を繰り返すのは避け、無理にHDDの順番を入れ替えたり取り外したりするのはやめましょう。大切なデータが入っている場合は、データ復旧業者に相談するのがおすすめです。
