パソコンを使っている方のなかには、突然HDD(ハードディスク)が認識されなくなって困った経験をした方もいるのではないでしょうか。パソコンがHDDを認識しないときに考えられる原因には、物理的な破損や内部データの故障、ケーブルの接続障害などが考えられます。
この記事では、パソコンがHDDを認識しない原因と対処法を紹介します。HDDが認識されなくてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
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HDDを認識しない場合に考えられる3つの原因
問題を解決するにはまず「何が原因なのか?」と知ることが大切です。原因不明のままでは適切な対処ができないので、安易にいろいろな対処法を試してしまうと故障してしまうかもしれません。
また、原因によっては単純なミスで認識されていないだけという場合もあるので、あれこれ操作する必要なく改善されることもあります。ここでは、パソコンがハードディスクを認識しないときに考えられる原因についてまとめています。認識されないトラブルで困っている方は、以下の原因を参考にして自分に当てはまるものがないかを確認してみてください。
1.物理障害
ハードディスクは本体に内蔵されているものと、外付けタイプの2種類があります。どちらのタイプも同じハードディスクには変わりなく、精密機器で作られた非常にデリケートな機器となっています。
そのため、何らかの衝撃を加えてしまうと故障してしまう可能性が高いです。例えば、持ち運びに便利なノートパソコンの場合、移動中にどこかでぶつけてしまった、または床に落としてしまったことが原因でハードディスクが故障してしまうことがあります。
デスクトップパソコンであれば落とす心配はありませんが、よろけた拍子に本体にぶつかって強い衝撃を加えてしまうケースは考えられます。また、外付けタイプのハードディスクは持ち運びに便利な記憶媒体なので、こちらも衝撃が原因で故障することもあるでしょう。
また、あまりないとは思いますが、精密機器なので水没でも故障してしまいます。ちなみに、このような故障は自分で対処することが不可能なので、専門業者への依頼が必要になります。どうしても取り戻したいデータがある場合は、専門業者を利用してデータ復旧を行ってもらいましょう。
どんな機器にも寿命というものがあるので、大切に使っていたとしてもいずれは壊れてしまうものです。そのため、経年劣化による自然故障が原因で認識されないというケースも少なくありません。
この場合も上記でご紹介した故障原因と同じく、自分で対処することができない状態となっています。認識されないからといってむやみに操作を続けていると、症状が悪化して専門業者でもデータを復旧できない状態になってしまいます。
不具合を感じた場合はすぐにパソコン、または外付けHDDの使用を中止して、専門業者に相談してみましょう。
2.論理障害
ハードディスクは故障していないものの、システムファイルやデータなどが破損する論理障害を起こしている場合も、パソコンに認識されない原因の1つとなっています。このような原因は人為的なミスが原因で発生するといわれているので、普段の使い方によって発生するトラブルだといえるでしょう。
この場合、ハードディスク自体は問題ないので、論理障害を改善することでパソコンに認識させることができます。とはいえ、不具合を起こしたパソコンの対処に不安を感じている方は、専門的な知識と技術を持ったプロの専門業者に相談することをおすすめします。
3.接続障害
外付けタイプのハードディスクが認識されない場合、電源コードやパソコンに接続するケーブルがきちんと接続されていないケースが多いといわれています。単純なミスではありますが、意外と気づかずに「故障した」と勘違いする方も少なくありません。
しかし、このような原因であれば正しく接続することで使えるようになるので、買い替えや修理の必要はないでしょう。ですが、きちんと接続しても認識されない場合は物理的な故障や経年劣化が原因の可能性があります。
HDDを認識しない場合の対処法(内蔵HDD・外付けHDD共通)
HDDが認識されない場合の対処法を3つ紹介します。これらの作業で解決するケースもあるので、復旧作業を行う前に試してみましょう。
- 再起動を行う
- フォーマットを行う(データが消えてもいい場合)
- HDDの情報を確認する
再起動を行う
HDDの電源が入り、デバイスマネージャーで認識できている場合は、再起動するとHDDが表示されるケースがあります。ただし、再起動の際に電源ボタンの長押しで強制終了すると状況を悪化させる可能性があるので、必ず画面上で再起動の操作を行いましょう。
なお、デバイスマネージャで認識しているかどうかの確認方法は、HDDの情報を確認するで詳しく解説しています。
フォーマットを行う(データが消えてもいい場合)
フォーマットと呼ばれる初期化に似た処理を行うことで、HDDが認識されることもあります。ただし、フォーマットするとHDDのデータが消えてしまうので、大切なデータがない場合や、バックアップを取っている場合のみ試せる方法です。画面にフォーマットを実行するメッセージが出たとしても、大切なデータが入っているときは、安易にフォーマットしないように注意しましょう。
HDDの情報を確認する
HDDをパソコンのデバイスマネージャーで確認できない場合、ケーブルやUSBポートに故障がなければ、HDDやパソコン本体の故障が疑われます。パソコンがHDDを認識しているかをWindows、Macそれぞれの方法で確認してみましょう。
なお、利用しているパソコンのバージョンによっては、確認方法が異なるケースがあります。確認画面がわからない場合は「〇〇(OS) 〇〇(バージョン) HDD 接続確認」などで検索してみましょう。
Windowsの場合
- 画面左下のスタートボタン(Windowsマーク)を選択
- メニューから「デバイスマネージャー」を選択
- 内蔵HDD:「ディスクドライブ」で該当のHDDを確認
外付けHDD:「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」を選択し、該当のHDDがあるかを確認
Macの場合
- Finderを起動する
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」を選択
- 「ディスクユーティリティ」を起動する
- 対象のHDDが表示されているか確認
上の手順でHDDを認識していないうえに、ケーブルなどの破損がなければ、HDDあるいはパソコンが故障していることが考えられます。この場合は、自分で復旧作業を行わず、データ復旧業者に依頼しましょう。
HDDを認識しない場合の対処法(外付けHDD向け)
USBハブやPCカードを介してUSBをパソコンに接続している場合、それぞれのUSBへの電力量が不足している可能性があります。USBハブやPCカードを使用せずに直接パソコンに繋いで、認識するかどうかを確認してみましょう。この方法で認識するようになるのであれば、各USBへの電力を増やすと解決するはずです。
HDDの復旧に関する注意点
HDDの復旧を行う際には以下5つの注意点を必ず押さえておきましょう。
- 原因がわからない場合は自分で復旧作業を行わない
- 大事なデータがあるならフォーマットは絶対に行わない
- 復旧前に修理を行わない
- なるべく電源のオンオフは行わない
- 物理障害の場合はデータ復旧ソフトは使わない
原因がわからない場合は自分で復旧作業を行わない
復旧作業は障害の種類や程度、故障箇所を特定したうえで慎重に対応することが大切です。原因がわからないまま自分で復旧ソフトのインストールやスキャンなどを行うと、復旧できるはずのデータに上書きされたり、症状が悪化したりする恐れがあります。原因がわからないときは、安易に復旧しようとせず、プロに依頼することを検討しましょう。
大事なデータがあるならフォーマットは絶対に行わない
フォーマットを行うとHDD内のデータにアクセスできなくなってしまいます。大事なデータを消してしまうとデータを取り戻す作業が必要です。フォーマットする前には、必ずデータのバックアップを取るようにしましょう。
復旧前に修理を行わない
HDDが故障したときに依頼する業者には「修理業者」と「復旧業者」があります。HDDの修理を業者に依頼すると、基本的にすべてのデータが初期化されます。大切なデータがあるHDDの場合は、復旧業者に依頼してデータを取り戻すことを優先させましょう。
なるべく電源のオンオフは行わない
HDDに物理障害や論理障害がある、あるいは原因がわからない場合、電源のオンオフや再起動はしないことが重要です。パソコンの電源が入るとHDDが動作するため、障害が進行する恐れがあります。可能な限りパソコンの電源を切り、HDDを起動しないようにしましょう。
物理障害の場合はデータ復旧ソフトは使わない
ディスクの故障のような物理的な障害がある場合、データ復旧ソフトでは対応することができません。無理に復旧させようとすると、データの上書きや故障が悪化する可能性があるので、データ復旧ソフトは使わないように注意しましょう。
フリーのデータ復旧ソフトには要注意
無料で利用できるデータ復旧ソフトでは、わずかなデータしか復旧できなかったり、修理の障害になったりする可能性があるため注意が必要です。また、ソフトによってはスキャンまでが無料で、データ復旧には追加料金がかかるケースもあります。
フリーのデータ復旧ソフトを利用するよりも、専門家に復旧の依頼をしたほうが失敗のリスクを避けられるので、可能な限りプロに任せるようにしましょう。
HDDのデータ復旧にかかる費用相場
HDDのデータ復旧にかかる費用相場は、障害の程度により異なります。
障害の種類 | 費用相場 |
軽度論理障害 | 1〜6万円 |
重度論理障害 | 5〜25万円 |
軽度物理障害 | 4〜9万円 |
重度物理障害 | 9〜70万円 |
軽度の論理障害や軽度の物理障害などの修理は比較的安く済みますが、重度の障害になると高額な費用がかかるケースがほとんどです。
復旧業者のなかには、復旧できた場合のみ費用が発生する「成果報酬型」を取り入れている場合もあります。このような業者を選ぶと、復旧できなかったのに高額な費用を支払うといったリスクを避けられるでしょう。
HDDを認識しない場合はデータ復旧サービスに依頼するのがおすすめ!
HDDを認識しない場合は、自分で復旧作業を行うよりも、データ復旧サービスに依頼するのがおすすめです。
自分で復旧作業すれば費用はかかりませんが、その分データを失ってしまうリスクが高まります。自分で作業したことにより症状が悪化し、復旧業者に依頼したときの価格が高額になることも考えられます。
確実にデータを取り戻すためにも、なるべく早くデータ復旧業者への依頼を検討しましょう。
まとめ
パソコンがHDDを認識しない原因は、ケーブルの破損などの接続障害も考えられますが、論理障害・物理障害であれば復旧作業が必要です。原因によっては自分で復旧することが難しく、専門知識が必要になります。
原因がわからないときは、無理に自分で直そうとするよりも、まずはパソコンの電源を切り、HDDへの通電を止めることが大切です。少しでも不安があれば、専門的な知識や技術を持つ業者に相談してみてください。