Macのデータ復旧ができるフリーソフト7選！選び方とNG行動を解説

Macのデータが消えてしまい、復元できずに困っていませんか。Macのデータはフリーソフトで復旧できる可能性があります。ただし、症状によってはソフトが使えなかったり、症状がさらに悪化したりする可能性があります。データの復旧率を高めるためにも、フリーソフトを効果的に使える状況を押さえておきましょう。

この記事では、Macのデータ復旧ができるフリーソフトを紹介します。ソフトの選び方やデータ復旧時のNG行動も紹介するので、Macのデータを失って困っている人はぜひ参考にしてみてください。

Macでデータ復旧ソフトを使用できるのは軽度の論理障害のみ

Macのデータ復旧ソフトで対応できるのは、軽度の論理障害に限られます。論理障害とは、物理的な故障ではなく、データやシステムの破損が原因で起きる以下のような症状のことをいいます。

• 必要なデータを誤って削除した
• ファイルを上書きした
• データの更新中に突然電源が切れた

Mac本体の落下や水没、落雷によるショートといった物理障害が起きているときは、データ復旧ソフトで復元することが基本的にできません。物理障害が起きている状況でデータ復旧ソフトを使用すると、症状がさらに悪化する可能性があります。

また、データ消失後にMacの操作を続けると、ファイルの上書きによってデータが消えてしまうことがあります。データ復旧をする際は、別のパソコンで復旧ソフトをダウンロードし、USBメモリにインストールして使用するのが安全です。

Macで使うデータ復旧ソフトを選ぶ際のチェックポイント

Macで使うデータ復旧ソフトを選ぶときは、以下をチェックしましょう。

• Macに対応しているか
• データ復旧ソフトに対応している症状か
• データの種類やサイズが復元対象になっているか
• 有料プランがあるか

1つずつ詳しく紹介します。

Macに対応しているか

データ復旧ソフトを選ぶ際は、Macに対応しているかを確認しましょう。データ復旧ソフトのなかには、Windowsのみ対応しているものが多いです。加えて、macOSの最新バージョンに対応しているかもチェックしておきましょう。

データ復旧ソフトに対応している症状か

上述したようにデータ復旧ソフトは、重度の論理障害や物理障害の復旧作業に使用することはできません。対応していない症状に使うと、症状がさらに悪化するだけでなく、データが消失するリスクが高まってしまいます。

本体から異音が聞こえたり、デバイスが認識されなかったりする場合は物理障害の可能性が高いため、データ復旧ソフトを使うのを避けましょう。

データの種類やサイズが復元対象になっているか

復元できるデータの種類やファイルサイズは、復旧ソフトによって異なります。特定のファイル形式に特化していたり、復元できるサイズに制限があったりするソフトがあるので、用途に応じて選ぶことが大切です。

有料プランがあるか

多くのフリーソフトでは復旧できるデータ量に制限が設けられています。無料版のソフトは500MB〜2GBが上限となっているケースが多いです。無料版で復旧できないデータ量があるときは、有料版にアップグレードする必要があります。

費用をかけたくない場合は、無料版で一部のファイル復旧を試したのちに、有料版を購入するのがよいでしょう。

Macでデータ復旧ソフトを使用するメリット

データ復旧ソフトには、無料で使えたり、すぐに復旧作業を試せたりするメリットがあります。

ここでは、Macでデータ復旧ソフトを使用するメリットを紹介します。

無料で使用できるものがある

有料ソフトを使ったり復旧業者に依頼したりすると数万円以上かかることもありますが、フリーソフトなら初期費用なしで試すことができます。軽度の論理障害であれば、無料で復元できる可能性があります。

すぐに復旧作業ができる

データ復旧ソフトのダウンロードからスキャン開始までであれば短時間で完了するので、すぐにデータを取り戻したいときに効果的です。専門業者に依頼すると、作業開始までに数日以上かかることもあります。一方、自身でデータ復旧ソフトをダウンロードして作業を始めれば、すぐにデータを復旧できる可能性があります。

Macでデータ復旧ソフトを使用するデメリット

データ復旧ソフトをMacで使うときは、使用できる状況が限定されていたり症状が悪化したりするデメリットがあることを知っておきましょう。

ここでは、Macでデータ復旧ソフトを使用するデメリットを紹介します。

軽度の論理障害しか使用できない

データ復旧ソフトは重度の論理障害や物理障害に対応できないため、症状によっては自身で復旧できない場合があります。Macに限らずデータ復旧は回数を重ねるほど復旧率が下がるといわれています。

データ復旧ソフトを使用できるかわからない場合は、データ復旧業者に相談するのがおすすめです。

症状が悪化する可能性がある

データ復旧ソフトの機能や操作方法は、それぞれのソフトごとに異なります。誤った使い方をすると、データが上書きされたり消失したりする可能性があるため、ソフトの互換性と操作方法を確認したうえで使用するようにしましょう。

Macのデータ復旧ができるフリーソフト7選

Macのデータ復旧ができるフリーソフトは、以下の7つです。

• EaseUS Data Recovery Wizard for Mac
• Disk Drill
• Recoverit
• MiniTool Power Data Recovery
• Stellar Data Recovery
• Data Rescue
• 4DDiG Mac

それぞれの特徴を詳しく紹介します。

EaseUS Data Recovery Wizard for Mac

EaseUS Data Recovery Wizard for Macは、データ復旧率99.7％を誇るMac向けデータ復旧ソフトです。操作が簡単なので、専門知識がなくても画面の指示に従うだけでデータ復旧作業を行えます。

2GBまで無料でデータ復旧できるため、少量のデータ復元に適しています。ただし、無料版では復元できるファイルの種類や数が制限されることに注意しましょう。

Disk Drill

Disk Drillは、シンプルな操作方法で初めてソフトを使用する人にも使いやすい仕様です。データ復元までに要する時間が少なく、誤って削除したファイルやフォーマットされたドライブの復元に適しています。ただし、無料版でできるのはデータのスキャンと、復元可能なデータの確認のみです。データを復元したい場合は、有料版を購入して使用しましょう。

Recoverit

Recoveritは高度なスキャン技術で、ファイルを迅速に復元できるのが特長のソフトです。復元できるデータは最大100MBと少ないため、少量のデータをすぐに復元したい場合に適しています。無料版で一部のデータ復元を試し、問題なく復旧できることを確認したあとに有料版を購入するのがおすすめです。

MiniTool Power Data Recovery

MiniTool Power Data Recoveryは、ドキュメントや写真、画像といったファイルを復元できるソフトです。ウイルスによるデータ破損も復旧対象なので、幅広い状況で活用できます。

無料版で復旧できるデータ量は1GBまでです。なお、スキャン結果が保存されないので、作業を中断する必要がない時間に余裕があるときに試してみましょう。

Stellar Data Recovery 

Stellar Data Recoveryは、Mac内臓のHDDやSSD、SDカード、USBメモリといった多様なデバイスのデータ復元ができる汎用性の高いソフトです。ウイルス感染やディスク破損がある場合でも、データ復旧できる可能性があります。無料版で最大1GBのデータが復元できるため、少量のデータ復旧に適しています。

Data Rescue

Data Rescueは、米国のFBIやCIAでも採用されているプロフェッショナル向けのツールです。ファイル名やサイズ、日付ごとに検索できるので、特定のファイルを探したいときに役立ちます。

無料版は復元できるデータのプレビューしかできないので、実際にファイルを復元するには有料版の購入が必要です。

4DDiG Mac

4DDiG Macは幅広いファイルの復元に対応しているソフトです。操作方法がわかりやすく、初心者にもおすすめできます。ただし、無料で行えるのはデータのスキャンとプレビューのみです。データの復元可否を確かめてから、有料版を購入してデータを復元しましょう。

Macのデータ復旧をするときのNG行動

Macのデータを復旧するときは、以下のNG行動を避けるようにしましょう。

• 通電し続ける
• 再起動を繰り返す
• すぐにOSの再インストールをする

1つずつ詳しく紹介します。

通電し続ける

故障したMacに通電し続けると状態が悪化したり、データが上書きされたりするリスクが高まります。データ損失を最小限に抑えるためにも、すぐに電源を切り、電源ケーブルも抜くようにしましょう。

再起動を繰り返す

再起動はMac本体や内蔵HDD、SSDなどの内部部品に大きな負荷をかけてしまいます。再起動を繰り返すと、症状が重篤化する可能性があります。データが消失するリスクを高めてしまう原因になるので、再起動は1回に留めておきましょう。

すぐにOSの再インストールを試す

すぐにOSの再インストールをすると、保存されているデータが上書きされてしまう場合があります。データが上書きされると、復旧率が下がってしまう恐れがあるため、OSを再インストールする前にバックアップを取っておきましょう。

iCloudでのバックアップ方法は以下のとおりです。

1. iCloud にサインインする
2. iCloud の設定で、iCloud とデータを同期して保存するアプリを設定する
3. iCloud Drive で「デスクトップ」や「書類」といったフォルダ内にあるバックアップしたいファイルを iCloud に保存する

自身で対応できない場合はデータ復旧業者への相談がおすすめ

Macのデータ復旧ができないときは、データ復旧業者に相談するのがおすすめです。自分で本体を分解したり内部のパーツに触れたりするのは非常に危険です。専門的な知識や技術がない状況で作業すると、症状がさらに悪化する可能性があります。

特に、物理障害が疑われるときや複数のデータ復旧ソフトを試しても復元できないときは、専門業者に依頼しましょう。データ復旧業者は高度な知識や技術をもっており、復旧率を高めることができます。

信頼できるデータ復旧業者の選び方

データ復旧に失敗すると、その後の復旧作業がより難しくなる可能性があります。データの復旧率を高めるためにも、以下のポイントを押さえて信頼できるデータ復旧業者を選びましょう。

• データ復旧に成功した場合のみ費用が発生する
• 短納期で対応してくれる
• 不安を煽る発言をしない
• セキュリティ対策に力を入れている
• ホームページに復旧費用が明記されている
• 官公庁や大手企業のデータ復旧実績がある
• データ復旧協会DRAJに加盟している

データを早く復旧したい場合は、緊急対応をしてくれるデータ復旧業者を選ぶのがよいでしょう。ただし、データ復旧率が低かったりデータが流出したりする可能性があるので、復旧実績やセキュリティ対策についてホームページで確認しておくことをおすすめします。

セキュリティ対策が心配なときは「ISO認証」や「プライバシーマーク」などの認定を受けている業者を選びましょう。データ復旧業者選びに迷ったときは、データ復旧協会DRAJに加入している業者から選ぶと安心です。

データ復旧協会DRAJについては、以下の記事を参考にしてみてください。

データ復旧協会DRAJとは？活動方針や所属する企業、悪徳業者を見極めるポイントを解説

おすすめのデータ復旧業者3選

Macのデータ損失を防ぐためのバックアップ方法

Mac内のデータを守るためには、定期的にバックアップを取っておくことが大切です。

ここでは、Macでバックアップを取っておく方法を紹介します。

Time Machineを活用する

Time Machineは、Macに標準搭載されている自動バックアップ機能です。1度設定すれば、バックアップを自動で作成してくれます。Time Machineが有効になっているかは、メニューバーのシステム設定にある「Time Machine」をクリックし、「入」になっているかで確認できます。

Time Machineを使ったバックアップ方法は、以下のとおりです。

1. メニューバーのTime Machineメニューから「Time Machineに入る」をクリックする
2. Time Machineのフォルダウインドウの右側にバックアップを取った日時が表示されるので、該当日時のデータを選択する
3. データ下の「復元」をクリックする

外付けHDDやSSDを利用する

手動でバックアップを取りたい場合は、外付けHDDやSSDにバックアップする方法もあります。容量の大きいHDDやSSDを選べば、大量のデータを残せます。

HDDやSSDが壊れたり、紛失したりするとデータを失ってしまうことになるため、取り扱いには十分注意しましょう。

クラウドサービスを活用する

Macのバックアップを取る方法として、iCloudやGoogleドライブなどのクラウドサービスも活用できます。クラウドサービスでバックアップを取っておくと、ハードウェア故障や盗難、火災などの物理的なトラブルがあったとしてもデータを守れます。

ただし、無料で保存できる容量はGoogleドライブが15GB、iCloudが5GBまでです。これらの容量を超える場合は有料プランへの加入が必要となるため、データ量に応じて適切なサービスを選びましょう。

Macのデータ復旧についてのよくある質問

最後に、Macのデータ復旧についてのよくある質問に回答していきます。

ソフトを使用する以外にMacのデータを復旧する方法はある？

Macのゴミ箱にデータが残っていれば、復元したいデータを右クリックし「戻す」を選択するだけでデータを元の場所に戻すことができます。

また、事前にTime Machine機能を有効にしていれば、バックアップ機能を使ってデータを復旧できる可能性があります。Time Machineでのデータ復旧方法は、以下のとおりです。

1. メニューバーのTime Machineメニューから「Time Machineに入る」をクリックする
2. Time Machineのフォルダウインドウの右側にバックアップを取った日時が表示されるので、該当日時のデータを選択する
3. データ下の「復元」をクリックする

ソフトを使用すると情報漏洩のリスクはある？

信頼性の低いソフトを使用すると、ウイルス感染や個人情報流出が発生する可能性があります。そのような状況にならないためにも、出所不明のフリーソフトや海外の非公式サイトが配信しているソフトを使わないようにしましょう。

情報漏洩のリスクを抑えるためには、メーカーの公式ソフトを使ったり、プライバシーポリシーを確認したりすることが大切です。情報漏洩の不安がある場合は、ISO認証やプライバシーマークを取得しているデータ復旧業者に相談しましょう。機密性の高い情報を復旧する場合は、専門業者に依頼することでトラブルが発生するリスクを抑えることができます。

まとめ

Macのデータは、フリーソフトを使用することで復旧できる可能性があります。しかし、重度の論理障害や物理障害が発生している場合は、症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。

ソフトを使用できるかの判断が難しかったり、操作に不安があったりする人は、データ復旧業者への相談がおすすめです。専門知識やスキルをもつデータ復旧業者であれば、フリーソフトで対応していない症状にも対応できる可能性が高まります。復旧の難易度は時間が経過するにつれて上がる傾向があります。大切なデータを取り戻すためにも、可能な限り早くデータ復旧業者に相談してみましょう。