RAID10について、仕組みやメリット・デメリットをまとめてみました。
大容量のデータの管理や運用に利用されている外部記憶装置として知られるRAIDには、いくつかの種類があります。その中でもRAID10は、2種類を掛け合わせて構成されたものとなっているため、性能が高く冗長性に優れています。
そんなRAID10の利用を考えている方に質問ですが、どのような仕組みをしている機器なのかを知っていますか?購入したもののあなたの目的に合った機器でなければ意味がないので、効果的に利用するためにも基礎知識は知っておいた方が良いでしょう。
また、利用するにあたってメリットだけではなくデメリットも存在するので、それらの把握も大切でしょう。そこで、今回はRAID10の基礎知識について、仕組みからメリット・デメリットなどをご紹介していきます。その他にも知っておくと役立つ予備知識もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
RAIDは種類によって構成内容が異なりますが、RAID10では2種類が合わさって構成となっている性能が高いと言われています。そのため、重要なデータの管理や運用に活用できる種類となっています。
ここでは、そんなRAID10の基礎知識としてどのような仕組みをしているのかをまとめてみました。基礎知識を知ることで利用目的に合った種類であるのかを確認できるので、以下でご紹介する内容をぜひ参考にしてみてください。
大きな特徴として、ストライピング構成であるRAID0、ミラーリング構成となるRAID1の2種類が合わさって構成されたものとなっています。ストライピングでは2台以上のハードディスクを必要としますが、分割したデータを同じ処理速度で2倍の容量を取り扱うことが可能。
ストライピングでは同じく2台以上のハードディスクが必要となり、それぞれのディスクに同じデータの書き込みを行うことで冗長性を高めることが可能となっています。そのため、それぞれの特徴が組み合わさったことで、データ処理速度の高速化と耐障害性の2つの要素を運用できるといった点が主な仕組みとなっています。
データを保存する仕組みでは、まず保存データをブロックに分け、それぞれにデータの複製を行います。その後、それぞれのミラーセットに分散してデータを保存する仕組みとなっています。
例えば、ハードディスクを4台使用していると仮定した場合、ディスク0・1を1つのミラーセットとします。そして、1セットに同じデータが2つ保存されることになり、それらが2セットに構成されるということになります。
そのため、ミラーセットが故障しなければもう一方のミラーセットにデータが保存されているので、トラブルが発生してもデータ復旧が可能になります。このような構成をしているため、冗長性に優れていると言われています。
種類によって最低限必要とされるハードディスクの台数が異なりますが、RAID10では最低4台が必要となっています。一般的に利用されている種類と比べると導入コストがかかりますが、その分高速化や耐障害性といった高機能を活用することができます。
また、ハードディスクの増設も可能で、台数が増えるほどに読み込み・書き込み共により速度の高い処理を可能にすることができます。そのため、管理や運用するデータ量に合わせて調整することができるでしょう。
RAIDは内蔵しているハードディスクの本数=使用できるデータ容量という訳ではありません。RAID10の場合は全体の50%が使用可能な容量となっているため、全体で2TBの容量となる場合は、1TBが使用できる容量ということになります。
そのため、容量が足りないと感じる場合はディスクの増設を行うことで使用可能容量を増やすことができるでしょう。もしも利用している中で容量不足を感じる場合は、ディスクの増設を検討してみてください。
これまでの内容から、RAID10の仕組みについてお分かりいただけたと思います。データ処理速度の高速化や耐障害性がプラスされることによる冗長性の強化が可能なので、大切なデータの管理・運用を目的としている方は、利用を検討しているのではないでしょうか?
しかし、どんなものにもメリットだけでなくデメリットが存在するので、それらも把握したうえで利用の有無を考えることが大切です。ここでは、利用する上で知っておきたいメリット・デメリットについてまとめてみました。
RAID10を利用する上での最大のメリットは、仕組みでもご紹介した高速化と耐障害性に優れていることです。高速化は作業効率の向上が大きく期待できますし、耐障害性は何らかのトラブルや機器の故障によるデータ消失の被害を防ぐことができます。
重要なデータの管理・運用を行う上でこのようなメリットがあれば、安心して利用することができるでしょう。また、冗長性に優れているので、データ復旧が可能であるといった点もメリットの1つとなっています。
利用する上でのデメリットは、初期導入コストが高いことです。最近ではハードディスクが安価で購入できるようになっていますが、最低でも4台の購入が必要です。ちなみに、一般的に利用されることの多いRAID5であれば最低でも必要なディスクは2台となっているので、それに比べると導入コストは高いと言えるでしょう。
また、場合によってはディスクの増設が必要になるかもしれないので、そうなると非常に高いコストがかかることになるでしょう。そのため、予算を超えるようであれば他のRAIDの利用を検討した方が良いかもしれません。
ここでは、RAID10の使用でよくあるトラブルと運用時の注意点についてご紹介していきます。利用期間が長くなると機器が劣化してきますし、それによってさまざまなトラブルが発生するのは避けられません。また、機器が正常に稼働していたとしても間違った運用を行うと、トラブル発生を招くことになるので危険です。
冗長性が高く耐障害性に優れている機器ではありますが、100%安全に利用し続けられるという訳ではありません。経年劣化による故障をはじめさまざまな理由からトラブルが発生することがありますが、よくあるトラブルとその原因には以下のようなものがあります。
もしも使用中に問題が発生した場合は、上記のいずれかが原因である可能性が考えられます。また、安易に自分でトラブルに対処しようとするとデータ復旧が困難になる場合があるので、安全性を考えるならプロのデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
導入後の運用に関して、以下のような点に注意してください。
これらはデータ消失や復旧困難な状況を招く行為となっています。特に注意が必要となるのが、トラブル発生時にやりがちな再構築の実行です。状態悪化やデータ復旧が不可能になるケースが多いので注意してください。
RAID10は高速化や耐障害性に優れているといった特徴があります。そのため、速度や冗長性を求めている方におすすめです。しかし、初期導入コストが高いといったデメリットがありますが、作業効率やデータを管理する上での安全性の向上が期待できると言えるでしょう。